話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
大宮のJ1復帰は「誰」なのか。
戦う男・三門雄大と大前元紀の復活。
posted2018/02/08 10:30
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
J2優勝、J1昇格。
これが大宮アルディージャの今シーズンの目標だ。昨年、残り3試合で前鹿島監督の石井正忠が監督に就任し、そのまま今シーズンも継続。目標達成に向けてチームを指揮し、今は土台作りの最中だ。
江坂任や和田拓也ら主力が抜けたが、逆にシモビッチ、三門雄大らこれまで大宮にいなかったタイプの選手を獲得し、選手層の厚みはJ2でも屈指になった。
そのチームの浮沈の鍵を握るのが昨年、不振だった大前元紀、そして今シーズン福岡から移籍してきた三門だ。
三門は、特別な思いを持って地元・大宮に帰ってきた。
大宮のジュニアユースのセレクションに落ちて挫折を味わったが、いつかは地元でプレーしたいと思っていたという。
「大宮のセレクションに落ちて、悔しい想いを持ってやってきた。見返してやるぞっていう気持ちでずっと頑張ってきたし、だからこそ今の自分がいる。そのチームからオファーをもらってやれるのはすごくうれしいですし、僕の中で大きなモチベーションになっています。
自分の地元で両親を含めて、お世話になった人たちに元気な姿を100%の状態で見せられるのは、もしかしてこの年齢だったのかなって思っています。みんなにいい結果を報告できるようにしたいですね」
4チーム目、31歳で帰ってきた地元。
三門は、新潟から横浜F・マリノス、福岡、そして今回の大宮と移籍は3回目、4チーム目でのプレーになる。31歳での移籍は、過去の移籍とはその意味が異なるはずだ。
「新潟から初めて移籍したのが27歳の時だったんですけど、マリノスに行ったときは中村俊輔さんや中澤佑二さんと初めてやるし、初めての移籍で緊張感もあってキャンプはすごく疲れました。
でも、すごく刺激を受けて成長できた。福岡へは夏の移籍だったんですがチームメイトが溶け込みやすい雰囲気を作ってくれて、すぐに馴染むことができた。今回は地元ですからね。その意味はこれまでの移籍以上に重いものがあります。ベテランと言われる年齢になりましたけど、新たに試合に出るためにとか、ポジションを奪うためにとか、目標があることが楽しいですし、今は土台作りを含めてやっているので緊張感がありながら若い選手たちがうまく絡んでくれるのでいい感じでやれています」