ラグビーPRESSBACK NUMBER
サントリーに今も流れるエディー流。
データ、ハードワーク、知的な体力。
text by
永田洋光Hiromitsu Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/01/26 11:00
2年連続の日本一に輝いた沢木敬介監督。エディー流ともまた違うフィットネスへのこだわりが成功の基礎にある。
エディーのコピーではなく、オリジナルな方法で。
データを管理して選手を追い込む一方で、選手自らが勝つための方法を考える。
だから、サントリーのラグビーには隙がなく、あっても試合のさなかにコミュニケーションを取り合って修正できる。そうしたチームの「文化」が、流キャプテンの言う「最後まで走り切れた」80分間に結実したのである。
かつてサントリーを指導し、その後日本代表HCに転身したエディー・ジョーンズは、「ハードワーク」という言葉で、選手たちを厳しく管理しながら、徹底的に選手たちを追い込んだ。その結果が、2015年W杯の南アフリカ戦勝利をはじめとする成果を生んだ。
今、その遺伝子を受け継ぐサントリーが、エディーのコピーではなく、沢木流の「ハングリーなチャレンジ」、つまりどん欲な挑戦を続けるオリジナルな方法論で、2連覇を遂げた。
日本ベースのチームがラグビーという競技で確固たる結果を残すには、厳しい練習と、どうすれば勝てるかを考え続ける知的な体力が求められる――。サントリーが提示したこの「解」は、'19年W杯8強を目指す今の日本代表にも、当然応用されるべきだ。