炎の一筆入魂BACK NUMBER
広島は一軍帯同選手に新人ゼロ!
高卒から名選手へ、奇跡の育成力。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2018/01/23 07:00
プロ4年目の塹江は、今年こそ開幕一軍入りを狙う。左投手不足がチームの弱点とされているだけに、周囲の期待は大きい。
一発屋で終わらず、ちゃんと一軍に定着していく若手達。
広島は新たな「即戦力」を求めるばかりではなく、自分たちで「新戦力」をじっくり育てることができるのだ。
一覧で記した選手たちの特長は、この翌年以降に自己ベストの成績を残している選手が多いことだ。
一発屋では終わらず、しっかりと一軍の戦力に定着していることも、広島の強さにつながっていると言えるだろう。
そういった過去の歴史から、今年飛躍が期待される4年目の選手は誰かを推測してみると――。
投手には塹江敦哉、藤井皓哉とすでに一軍を経験している2人がおり、野手では桑原樹がいるのが分かる。
広島唯一の問題点、左腕投手をどうするか?
塹江は広島が抱える問題の1つである、左腕。
150キロ以上の真っすぐを武器とし、2年目の'16年にはプロ初登板も、プロ初先発も経験している。昨季はスタートにつまずき、持ち味も出せず。一軍昇格なしに終わったものの、秋季キャンプでは思い切りの良さを取り戻し、首脳陣の評価を上げた。
2年続けて守護神の中崎とともに合同自主トレを行い、開幕一軍を目指している。
塹江よりも1年遅くはなったが、藤井皓は昨季一軍マウンドに上がった。
2試合の登板も、しっかり腕を振った投球で無失点に抑えた。先発と中継ぎ両方の適性を見ながら調整することが多い若手投手の中で、早くも中継ぎ1本で期待されている。塹江同様、持ち味である真っすぐを最大限に生かせるかどうかが一軍生き残りの鍵となりそうだ。
2人に出遅れる形の桑原だが、投手と野手とでは状況が違う。
一軍の二遊間は不動であり、三塁にも安部友裕、西川龍馬という実力者が競う。彼らに割って入るためには、打か守か走か、まずは一芸を磨く必要があるだろう。