炎の一筆入魂BACK NUMBER
広島は一軍帯同選手に新人ゼロ!
高卒から名選手へ、奇跡の育成力。
posted2018/01/23 07:00
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Kyodo News
球春到来――。
2月1日からプロ野球の春季キャンプが始まる。ユニホームを着た選手たちの姿に、プロ野球のシーズンの幕開けを感じる。
特に新戦力や若手の話題が豊富で希望に溢れたこの時期は、12球団すべてのファンが優勝というゴールを夢見ることができる特別な時間。野球で心躍らされる球春の到来である。
1月19日に、昨年セ・リーグを連覇した広島の春季キャンプ一軍、二軍の振り分けが発表された。
昨年右足首を手術した鈴木誠也は一部別メニューながら一軍スタートとなり、注目されたドラフト1位の中村奨成(広陵)は二軍スタートとなった。
スカウティングと育成力がガッチリ噛み合っている広島。
広島の一軍キャンプ帯同選手の中で、新戦力は新外国人のレオネル・カンポス1人。
セ・リーグの5球団が打倒広島に向けて補強を進めても、広島は今年も静かなオフとなった。
昨秋ドラフトでも、素材重視の指名。2人の大学生投手も素材型だったこともあり、近年では珍しい新人ゼロスタートとなったわけだ。
今オフの補強戦略、そして今春の一、二軍振り分けから、近年広島が力をつけている理由が見えるような気がする。
それはスカウティング力と育成力がしっかりと連携し、かみ合っているところにある。
特に分離ドラフト制度が撤廃された'08年以降のドラフトから、その力が遺憾なく発揮されている。