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日本代表ラマスHCが渡米した理由。
八村、渡邊への期待と日本の未来。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2017/12/18 10:30
八村塁とフリオ・ラマスHCの初対面が実りあるものになったことが、雰囲気からも伝わってくる。
渡邊、八村は日本代表にとってのジノビリに?
──その中でも、マヌ・ジノビリは他の選手に影響を与えるカタリスト的な存在ですよね。
「間違いなくそうですね。マヌとスコラ(ルイス・スコラ)はチームのリーダーです。チームには、そのほかにも数人のリーダーがいたこともあります。ペペ・サンチェス、パブロ・プリジオニ、アンドレス・ノシオニ、ファブリシオ・オベルトといった選手たちが、その時々のチームでリーダーシップを発揮していました。ただ、その中でもマヌやスコラはカタリスト的な存在です。彼らは16~18年の間、代表としてプレーしてきました」
──私自身も、アルゼンチン代表のジノビリ選手は、2002年にインディアナポリスで行われたFIBA世界選手権から取材しています。本当に長く代表としてプレーしていますよね。
「そうですね。そして、彼は(2016年)リオ五輪でもプレーしていたわけですからね。マヌが最初に代表チームでプレーしたのはギリシャで行われた世界選手権でした。1998年のことです。あの大会の時のアルゼンチン代表は私がコーチしていたのですが、あの時の彼は20歳でした。それから39歳まで代表としてプレーしたわけです」
──渡邊、八村の両選手に、日本代表にとってのジノビリのようなカタリストになってほしいと思っていますか?
「そうなることを願っています。でも、私たちはまだ始めたばかりのところで、あまり先のことを話したくはありません。私にとっては、もっと重要なことがありますから。“Make than talk”(先のことを話すより、今目の前にあるワールドカップの出場権を獲得する目標に挑むこと)です。でも、私は、彼ら2人の選手が代表チームを助けてくれると思っています」
──お忙しい中、時間を取っていただき、ありがとうございました。代表の試合のための遠征に行くだけでなく、今回のように選手に会うために飛行機に乗って移動するわけで、選手たち以上に移動が大変ですよね。
「そうですね。でも、次の時はもっと長い日程で来たいと思います。ルイのところに3日、ユウタのところに3日、そして次のときはアヴィ(ジョージア工科大1年のシェーファー・アヴィ幸樹)のところにも行きたいと思います。次は、それぞれの選手のところに3日間ずつ滞在したいと思います。私にとって、選手とコーチ間の関係はとても重要なのです」