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日本代表ラマスHCが渡米した理由。
八村、渡邊への期待と日本の未来。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2017/12/18 10:30
八村塁とフリオ・ラマスHCの初対面が実りあるものになったことが、雰囲気からも伝わってくる。
チームメイトとの関係性を心配する必要はない。
──八村選手も渡邊選手も、代表の練習に参加できる機会も限られますし、予選試合も全試合出場できるわけではありません。そういった制限の中で彼らが代表に参加したときに、チームメイトとのギャップを埋めるために何が一番重要になると思いますか?
「日本の選手たちはみんなよく教えられていて、賢い選手たちだと思います。彼ら2人が加入してきたときに、他の選手たちがうまく迎え入れてくれるだろうと思います。彼らは才能がありますから、チームに加わって練習に参加したり、試合をすれば、彼らが入ることがチームのためになるとわかるでしょう。
彼らも日本の選手で、日本のバスケットボールを助けるために努力しています。チームメイトとのケミストリー面では問題ないと思っています。彼らは2月の試合には出られませんが、6月の試合と、願わくは私たちが2次予選に進むことができていたら、9月の試合にも出られると思います。チームメイトとのケミストリーは問題ではないと思います」
──戦術面での適応はどうでしょうか? 前もってプレーブックを与え、チームの戦術を理解してもらうことで補う予定ですか?
「もちろん、将来的にはそのつもりです。ただ、今回の旅の目的はプレーブックや戦術について話すことではありません。私にとって今回の旅で一番重要なことは、それぞれの選手と実際に会って彼らを知ること。そして彼らに、代表にとって彼らが大事だということを伝えること。そして、彼らが代表でプレーしたいという気持ちを持っているのかを確認することです。それが、一番大事なことです。
この先、彼らとはさらに連絡を取り合うことになります。もしかしたら私も、今後年に1~2回ぐらいの頻度でアメリカに来るかもしれません。何にしても、今は戦術を話す必要はありません。今はいろいろなテクノロジーがあり、(実際に会わなくても)連絡を取り合うことができますから。昔に比べて、その点ではずっと楽になりました」
──彼ら2人が所属している大学のコーチたちとは、どんなことを話した、または話す予定ですか?
「ゴンザガのコーチは、6月と、そして2次ラウンドに進んだ場合の9月の試合、そして夏の間ずっと、ルイが代表活動に参加できるようにサポートしてくれると言っていました。彼らは、ルイが代表でプレーすることに、とてもオープンな姿勢でした」
──両選手が過去にアンダー世代で代表として戦った経験は、今回の代表に参加するうえでもプラスになりますか?
「もちろんです。彼らは代表として戦うことを実感したわけで、それはとても大事なことです」
──FIBAの試合はNCAAやNBAの試合とは少し違いますが……
「そうですね。ただ、きのうの試合(ゴンザガ大対クレイトン大)を見たら、アメリカのバスケットボールとFIBAのバスケットボールを合わせたような、インターナショナルな試合をしていました。
ただ単に海外から来ている選手が多いというだけでなく、スタイルとしてもそうでした。選手の間のスペーシングや、ボールなしでのプレー、6~7回パスしてからシュートするなど、(FIBAゲームに)とても似ているスタイルでした。
ルイは日本代表のスタイルに適応するのに何の問題もないと思います。1週間もあれば、準備ができるだろうと思います」