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DeNAがBリーグ参入に期待する理由。
東芝から川崎BTを買収した勝算は?

posted2017/12/14 07:00

 
DeNAがBリーグ参入に期待する理由。東芝から川崎BTを買収した勝算は?<Number Web> photograph by AFLO

篠山竜青は、チームの経営権譲渡という難しい局面でも堂々と自らの言葉を口にした。この文化はブレイブサンダースが培ったものだろう。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 11月4日、宇都宮。プロ野球日本シリーズの第6戦が福岡で行われた日のことだ。

 Bリーグ最強のファンを持つ栃木ブレックスは、リーグで最多の観客を集める千葉ジェッツふなばしを、ホームのブレックスアリーナに迎えた。

 その試合前、アリーナ内を熱心に見て回る横浜DeNAベイスターズ関係者の姿があった。ブレックスアリーナには、スポーツエンターテインメント界の最先端が詰まっている。まして、相手がジェッツとなればなおさらだ。

 加えて、日本シリーズはその時点でベイスターズから見て2勝3敗の戦績だった。この日に彼らの日本一が決まることはない、という事情もあったのかもしれない。時間もコストもリソースも有限なのであれば、最大限有効に使うことが求められるのだ。

 それから約1カ月。12月6日に、DeNAが川崎ブレイブサンダースのオーナーになることが発表された。ブレイブサンダースは、NBL最後の優勝チームであり、Bリーグ初年度も準優勝を果たした強豪チームだ。これまでのオーナーは、経営不振に苦しんでいる東芝だった。

 プロ野球でも革新的なファンサービスを次々と行ってきたDeNAが、Bリーグでどんな策をしかけるのか、また東芝の現状について様々な報道が出ているが、一連の流れの中で、実はあまり語られていないことがある。

2年前までは、午後しかバスケの練習ができなかった。

 そもそもブレイブサンダースとは、どんなチームなのだろうか――。

 今年の7月17日、ブレイブサンダースは2年目のBリーグ開幕に向けて活動をスタートした。初日の練習を終えると、ヘッドコーチ(HC)を務める北卓也は選手たちの精力的な練習姿勢に手応えを隠さなかった。

「去年は(リオ五輪最終予選などで)代表に多くの選手が招集されていて、なかなか午前と午後の2部練習をやる環境ではなかったです。今年はそれに比べて選手も多くいるので。そういえば一昨年はどうしていたか……」

 少し考えて、北は「あっ」と声をあげた。

「一昨年まで、我々は午前中(東芝の社員として)働いていたので、午後しか練習ができなかったんですよ」

【次ページ】 全選手に社業を義務付けていた東芝の信念。

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