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日本代表ラマスHCが渡米した理由。
八村、渡邊への期待と日本の未来。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byYoko Miyaji

posted2017/12/18 10:30

日本代表ラマスHCが渡米した理由。八村、渡邊への期待と日本の未来。<Number Web> photograph by Yoko Miyaji

八村塁とフリオ・ラマスHCの初対面が実りあるものになったことが、雰囲気からも伝わってくる。

アルゼンチン代表時代の経験が、今も生きている。

──6月の予定はどのようになりそうですか? 試合の何日前にキャンプに合流する必要があるのでしょうか?

「5月、6月にキャンプを行う予定です。ルイは5月の最初のキャンプは参加できるかはわかりませんが、それ以外は参加してほしいと思っています」

──渡邊選手は5月に大学を卒業し、その後、NBAのサマーリーグにも参加したいという気持ちを持っていると思います。代表にも参加したいと言っていましたが、そのあたりの調整については考えていますか?

「ユウタの状況が(八村とは)別だということはわかっています。日本代表としても、彼(のNBAへの挑戦)を助けることも大事だと思います。予選は6月と9月で、十分に時間はあると思いますが、ただ実際には本人やチームと直接話し、どうしたいのかを聞くことが大事です。彼ら選手たちが、それぞれの場所で最高のプレーをすることも大事です。それは日本のバスケットボールにとって重要なことなので」

──今後、たとえば田中力選手のような若手選手たちがアメリカなど海外に出てプレーしたいということになったとき、彼に向いた状況を見つけるためにJBAが手助けするべきだと思いますか?

「日本の国内の場合でも、選手がチームを選ぶときに大事なのは常にコーチや(チームの)運営側との関係だと思っています。ただ、私としてはもちろん、JBAが才能ある選手がさらに成長するために手助けすることは大事だと思っています。バスケットボールにおいて才能はとても大事ですから。才能があるかどうかで、勝てるかどうかも変わってきます」

──アルゼンチンの代表コーチをされていたときも、今回のようにアメリカなどにいる選手たちを訪れていたのですか?

「訪れていました。ただ、アルゼンチンのコーチとしては、NCAAよりもNBAを訪問していました。アルゼンチンは発展途上の国なので、若い選手たちにとって、バスケットボールは経済的な機会としてとらえていることも多く、18~19歳の年齢では(NCAAではなく)ヨーロッパに行ってプレーしています。NBA選手のところには毎年1~2回訪れていました」

──アルゼンチン代表は、シーズン中は選手たちが世界中に散らばってプレーしていますが、代表として集まってくると、常にチームとしてひとつにまとまって戦っているのがとても印象的です。日本代表がそうなるために、時間をかけること以外に、大事なことは何ですか?

「一番大事なのは才能です。それからコンプロマイズ(歩み寄り)。国の代表チームとして共にプレーしたいという気持ち。そしてケミストリーです。また、試合を共に戦ったという経験も大事です。競うことが大事です。毎年10試合は戦うことが必要です。それが代表チームにとっては重要なことです。これは最も重要なことだと思っています」

──アルゼンチン代表の場合、世界中でプレーしている選手たちが、毎年代表のために戻ってきて、みんな代表でプレーしたいという気持ちでまとまって戦うという状況が、どうやって実現したのでしょうか?

「過去の成功はプラスになっていると思います。つながりも大事です。最近10~15年の間、アルゼンチンの選手たちは、みんなアメリカやヨーロッパに住んでいます。そのため、彼らにとって国とのつながりといえば代表チームなのです。代表でプレーするというのは、自分の国を感じることができる特別な機会です。それはとても大事なことです」

【次ページ】 渡邊、八村は日本代表にとってのジノビリに?

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