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日本代表ラマスHCが渡米した理由。
八村、渡邊への期待と日本の未来。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2017/12/18 10:30
八村塁とフリオ・ラマスHCの初対面が実りあるものになったことが、雰囲気からも伝わってくる。
「ルイはバスケットボールを大好きな選手に見えた」
──チームに加わったとき、コート上での彼ら2人のプレー面での役割としてはどんなことを想定していますか?
「彼らには3つのポジションをやってほしいと思っています。ポイントガードとセンターはできませんが、彼ら2人とも、それ以外の3つのポジション、2番、3番、4番はすべてプレーできますし、実際にその3つのポジションでプレーすることになると思います。
それ以外のことは実際に練習して、何度かプレーしてみないことには、具体的に決めることはできませんが、ポジションとしては2、3、4番をプレーすることになるでしょう」
──今回、アメリカに来る前に、彼らのプレー映像などはご覧になりましたか?
「はい」
──八村選手の試合はきのうの試合(12月1日 対クレイトン大戦)でも実際にご覧になっていますが、彼のプレーについてどんな感想を持ちましたか?
「ルイはとてもすばらしいアスリートで、いいスキルを持っています。ゴールの上(の高い位置)でプレーする選手です。コンプリートな選手だと思います。フェイスアップ(ゴールに正対したポジション)でもポストアップ(ゴールに背を向けたポジション)でも得点できますし、外からのシュートもドライブインもできます。もちろんまだ成長の余地はある選手ですが、コンプリートな選手だと思います。
今回、彼と初めて会ってみて、とても気に入ったのは彼の姿勢です。彼はバスケットボールを大好きな選手のように見えました。これはとても大事なことです。そして、日本代表に対してコンプロマイズ(歩み寄り)の姿勢も見せてくれています。それも、とても大事なことです」
──「コンプロマイズ」というのは、具体的にどういったことですか?
「コンプロマイズというのは、まず日本代表でプレーしたいという気持ちがあること。本来なら休日の時期であっても代表活動に参加する意思があること。2~4年の期間、代表傘下にいてくれること。私は(アルゼンチンの)代表で7年コーチしてきましたが、『コンプロマイズ』は代表の成功のために最も大事なことのひとつだと思っています。
選手が代表のユニフォームを着て、共にプレーしたいという気持ちを持つことは、今の日本代表にとってとても大事なことです。今、私たちは代表のダイナミクスを変えようとしているわけですから。
私は、日本代表の選手たちみんなに敬意を持っています。私たちは、それをさらに向上させたいと思っています。今、日本バスケットボールはこういう状況にあります。オリンピックが地元で開催され、JBAやBリーグをうまく運営していくことで、私たち(日本のバスケットボール)のレベルを上げたいと思っています。
アメリカにいる選手たちとBリーグの選手たちで、あと10試合(1次予選残り4試合と2次予選の6試合)、日本代表にとって大事な試合を戦っていくことになります。そこに向けて修正していきたいと思っています。パズルの様々なピースがありますが、これからすべてのピースが集まってくるわけです。
変化について語っているのは、こういったことすべてについて言っているわけです。私はそのために日本に来たのです。私はJBAがやろうとしているプロセスを信じ、日本のバスケットボールがこの先、発展すると思っています」