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日本代表ラマスHCが渡米した理由。
八村、渡邊への期待と日本の未来。
posted2017/12/18 10:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
11月末、FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選のオーストラリア戦から数日後、バスケットボール日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスと技術委員長の東野智弥は、また国際線に乗っていた。
行き先はアメリカ。今後の日本代表にとって最も重要な2人の選手、八村塁(ゴンザガ大)と渡邊雄太(ジョージワシントン大)に会うためだった。
2人ともアメリカの大学シーズン中のため、1次予選のうち11月の2試合と、次の2月の2試合には出場できないが、それでもラマスHCにとっては、わざわざ彼らに会いに行くだけの理由があった。
ゴンザガ大の試合を見て、その翌朝には八村とのミーティングを行ったラマスHCに、渡米の意図や、八村、渡邊の両選手に期待することなどを聞いた。
──まず、今回のアメリカ訪問の目的は何ですか?
「ルイ(八村)とユウタ(渡邊)に実際に会って彼らを知ることです。日本代表の計画において、彼らがとても大事だということを直接伝えること。そして、大学のコーチたちにも、両選手が日本代表にとってとても大事な存在で、彼らには代表でプレーしてほしいと思っているということを伝えることです」
──八村、渡邊の両選手をはじめ、アメリカでプレーしている選手たちにどんなことを期待していますか?
「今はルイとユウタのことだけを話すときだと思っています。2人には日本代表をこの先変えていくようなリーダーシップを期待しています。練習でもよりすばらしい、高いレベルでのプレーをし、プロフェッショナルな姿勢で、みんながもっと競争するように。そういった点で、彼らは根本から変えることができると思って期待しています」
──リーダーシップを求めているということですが、年齢からいくと、彼らは他のほとんどの代表選手よりも若いのですが、それでも彼らにリーダーとなってチームを率いてほしいということですか?
「そうですね。あなたが言っていることもわかります。日本の文化において、年長の者がリーダーシップをとることがとても大事だということも理解しています。
ただ、スポーツの世界においては才能も必要です。スポーツの世界においては、コート上で何かを言える立場であるということもリーダーシップにとって大事なことなのです。彼ら2人には、それだけの才能があります。
私たちはコート上でのダイナミクスを変える必要があるのです。彼らならそれができます。彼らはゴールより高い空間でのプレーができますし、チームを変えるリーダーシップを取ることもできます。
ロッカールームではまた別かもしれません。年長の選手たちは、そういった別のところでリーダーシップを取ることができるでしょうが、コート上では、彼ら2人がリーダーとなる必要があります」