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選手間コミュニケーションはOKか。
昌子源が語る「CBの声」の重要性。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAsami Enomoto
posted2017/11/10 10:30
センターバックのレギュラーを手中にしつつある昌子。この連戦でハリルホジッチ監督の評価をさらに高められるか。
「誰が見ても悲しい試合にはしたくないから」
昌子はブラジル代表やベルギー代表に相当する相手と戦った経験がある。昨年のクラブW杯決勝、レアル・マドリーだ。しかし彼はそのときの記憶が一切ないと笑う。
「ほんまにレアルとやったんかなという感じなんです。それくらい無我夢中だったから。もしかしたら、俺は忘れるかもしれない。ブラジルやベルギーとやったこともポカンと抜けるかもしれないですね(笑)。やるからにはもちろん勝ちに行く。ハナから負けるだろうとは思っていない。本当に誰が見ても悲しい試合にはしたくないから。やっぱり、いい試合だったと言われる試合にしたい。そのなかでより多くの収穫を得るためにも、積極的に戦いたい。
実際いろいろと想定したところで、それを超えてくる相手。だから、あえて想定しない。あえて考えない。日本人だからだとか、日本代表だからだとか、関係ないんですよね。同じ人間なんやし」
運動量が必要だからといって、ただ闇雲に動き回ればいいわけではないのと同様に、声もまたその質が問われる。状況を的確に把握した声でなければ、意味はない。
連動性や味方の集中力、組織を強固にするための声を出せてこそ、しゃべることの価値が生まれる。そのためにも試合前の準備が重要だろうし、選手間のコミュニケーションで指揮官を満足させるための声が出せるか? ブラジル戦で昌子に求められるのはクールな集中力であり、途切れることのないクレバーな思考だろう。
レアル戦のようなプレーをし、ハリルホジッチ監督へ強いインパクトを与えられるか?
今回の欧州遠征は今後の昌子の日本代表での立ち位置を決める戦いとなる。