“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-17フランスと日本にあった差は。
個人能力以上に、適応力なのだ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2017/10/14 08:00
サッカーは選手の名前と個人能力だけで結果が決まるわけではない。フランス戦は典型的な“レッスン”となった。
「経験すべてを生かさないと前進できない」から。
彼らの個のレベルの高さは間違いない。ただ適応力の重要性をこの試合で感じ取ることができたはずだ。現にハードマークを受けた久保と平川のように、試合の中で対抗策を見出そうとする動きは見られた。ここにフランス戦の意義を見出せた。
「これまで厳しいゲームは経験してきた。その経験すべてを生かさないと前進できないし、それをチームに還元できる選手になりたい」
大会前、平川はこう口にしていた。今、まさにその貴重な経験を得られているのだ。
次はグループリーグ最終戦となるニューカレドニア戦。第2戦でホンジュラスに0-5で敗れており、現在2連敗で1得点12失点。日本より力が劣るのは間違いない。
この試合にきっちりと勝って決勝トーナメントに進んだ場合、初戦はイングランド、それ以降は昨年のAFC U-16選手権準決勝で敗れたイラク、そしてブラジルやスペインなど、フランスと同等の強豪国と激突することになる。
だからこそフランス戦での経験をニューカレドニア戦に生かし、一戦必勝のラウンド16以降でその教訓をチームとして発揮する。大会を通じてその流れを形成しなければならない。