フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
休養のゴールドに引退のリプニツカヤ。
女子フィギュアスケーターの厳しい現実。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/09/14 08:00
2013年のグランプリシリーズ第2戦スケートカナダの女子シングル表彰台にて。優勝はリプニツカヤ、銀メダルは鈴木、銅メダルはゴールドだった。
体重が300g増えるだけでジャンプが……。
残念ながら、体操やフィギュアスケートの選手が、拒食症に悩まされるのはそれほど珍しい話ではない。
それは女子に限らず、2002年五輪王者のアレクセイ・ヤグディンもその自伝の中で一時的に拒食症に苛まれたことを告白している。フィギュアスケートのあるコーチは、体重が300グラム増えるとジャンプに影響があるのだと語った。
日本の選手では鈴木明子が、現役時代に拒食症にかかって治療を受けたことを告白。少しでも同じ病で苦しむ人々の参考になるのなら、と公表を決意したのだという。彼女の場合は病気を克服して氷上に戻り、息の長い選手生命を全うしたハッピーエンディングだった。
だが、全ての選手がそこにたどり着けるとは限らない。このスポーツの、過酷な現実の一面である。
ゴールドは現在、GPシリーズに向けての準備は行っていて、中国杯とフランス杯に出場予定だ。初戦となる中国杯まで、あと2カ月弱。ゴールドが無事復帰をして、あの艶やかな笑顔を再び見せてくれることを祈りたい。