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ソチ女王ソトニコワ不在に想う……。
十代で消えたフィギュア五輪王者達。

posted2015/03/25 10:45

 
ソチ女王ソトニコワ不在に想う……。十代で消えたフィギュア五輪王者達。<Number Web> photograph by Getty Images

左から、ソチ五輪銀メダルのキム・ヨナ、金メダルのソトニコワ、銅メダルのコストナー。ソチ五輪当時はそれぞれ、23歳、17歳、27歳だった。

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 羽生結弦の出場濃厚のニュースが流れる中で、ソチ五輪女子金メダリストのアデリナ・ソトニコワはどうしているのか。

 ソチ五輪で17歳のソトニコワが優勝したのは、サプライズの結果だった。

 ロシア女子で優勝候補視されていたのは、どちらかというと15歳のユリア・リプニツカヤのほうである。ソトニコワはジュニアでは圧巻の強さを見せていたが、シニアに上がってからは、ゴールデンスピン杯の優勝以外大きなタイトルは手にしたことがなかった。ソチで金をとったのは、本人にとっても大きな驚きだったに違いない。

 五輪チャンピオンになった今シーズン、ソトニコワは競技続行を宣言。ところが練習中に転倒して脚の靭帯を断裂、出場を予定していたロステレコム杯とNHK杯を欠場した。結局、ソチ五輪を最後にまだ一度も試合に戻ってきていない。

五輪金をとって姿を消したティーネイジャーたち。

 シニアキャリアの短いティーネイジャーが優勝し、五輪金メダルをさらった後に姿を消す、というのは実はフィギュアスケート女子では過去に何度も繰り返されてきた構図である。

 1994年リレハンメル五輪では、前年に彗星のように現れたウクライナの16歳、オクサナ・バイウルが僅差でナンシー・ケリガンを破り金メダルを獲得。年齢的にあと2回は五輪に出られると期待されていたが、当時アメリカで大ブームだったプロフィギュアのスターになることを選び、五輪を最後にISU競技から引退した。

 1998年長野五輪では、優勝候補だったミシェル・クワンを抑えてタラ・リピンスキーが優勝。彼女の当時の年齢15歳8カ月は、女子金メダリストの最年少記録を塗り替えた。だが疲労を理由に1カ月後の世界選手権を棄権し、その後正式に競技引退を発表した。

 2002年ソルトレイクシティ五輪では、16歳のサラ・ヒューズがやはりサプライズで金メダルを獲得。翌シーズン世界選手権に戻ってきたが、メダルを獲得できないまま競技引退した。

【次ページ】 五輪チャンピオンに求められる責任とは?

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