沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
馬よりも騎手が主役になる2日間。
札幌に定着したWASJの“面白さ”。
posted2017/08/28 11:25
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Takuya Sugiyama
8月最後の週末、北の都・札幌が、豪華イベントの目白押しで熱く盛り上がった。
ひとつは東京五輪の代表選考を兼ねた北海道マラソン。もうひとつは三代目J Soul Brothersのコンサート。そして、この「ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」である。「ホテルがとれない」、「空室があっても高い」とこぼしながらも、多くのファンが札幌競馬場を訪れ、国内外の名手の叩き合いを堪能した。
かつてのワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)が現在の名称になり、この時期に札幌で行われるようになってから、今年が3年目。土日の4つのレースの着順によってポイントが与えられ、その合計で個人とチーム(海外・地方チームとJRAチーム)の順位を競う。
1年目の2015年は香港のジョアン・モレイラが優勝。モレイラはほかのレースにも多く乗り、土日で7勝を挙げ、「札幌に神降臨!」と騒がれた。2年目の昨年は、JRA代表としてミルコ・デムーロが優勝。なお、チーム戦は2年連続JRAチームが勝っている。
今年は、3年連続の出場となるモレイラをはじめ、海外から6名、地方からは、予選ラウンドで4戦3勝2着1回という歴代最高得点を叩き出した中野省吾、そしてJRAからは3年連続となる武豊、戸崎圭太、ミルコ・デムーロら7名が参戦し、8月26日と27日の2日間にわたって行われた。
ラスト1戦の時点で11名に優勝の可能性が。
第1戦、26日の第10レースは、抜け出しをはかった地方の中野を、福永がゴール直前で鼻差でかわして1着。
第2戦、26日の第11レースは戸崎が勝ち、美形でも注目されたオーストラリアの女性騎手ケイトリン・マリヨンが2着。
これら2戦のポイントで、初日は戸崎がトップ。福永、田辺裕信がつづいた。
そして2日目、最終日の27日。
第3戦はこの日の第10レースで、モレイラ、武、デムーロの順で決まった。
この第3戦が終わった時点で、下位3名を除く11名のどの騎手が第4戦を勝っても優勝、という大混戦だった。