“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
天皇杯でJクラブに3連勝の筑波大。
謎の組織「パフォーマンス局」とは?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byKyodo News
posted2017/07/15 11:30
筑波大のユニフォームには企業ロゴが入る。「JOYFUL HONDA」(ジョイフル本田)は、茨城県を中心に大型ホームセンターを展開する企業である。
選手交代の内容により、自分で攻め方を切り替えた。
結果、筑波大は相手のシュートを前半僅か3本に抑え、逆にその3倍の9本のシュートを放った。
そして後半、思うように攻撃を組み立てられない福岡は、システムを3-4-3気味に変化させてきた。だが、筑波大はその「わずかな変化」もピッチ内外で瞬時に感じ取り、チーム全体で対応させた。
福岡が63分にFWウィリアン・ポッピに代えてFW松田力を、67分にFW三島勇太に代えてFWジウシーニョを投入した時も、彼らの分析力は冴えわたっていた。
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ベンチ横でアップをしていた鈴木徳真も、「相手が前掛かりにくる合図をくれたので、逆に攻撃できるチャンスだと思った」と、試合の潮目がきたことを察した。
69分、筑波大はその予定通りにカウンターを仕掛け、中野がヘッドで押し込み、先制点。79分には右サイドのスペースでボールを受けた浅岡がクロスを出し、これを再び中野がダイビングヘッドで突き刺し、リードを2点に広げた。
いずれの得点も、計算され尽くした分析があった上でのゴールと言えた。
途中交代の鈴木徳真も、予定通り「これならいなせる」。
2-0とリードしていた81分、戸嶋に代わってついに鈴木徳真が投入される。
「相手は2点目の直後に3枚目のカードを切って交代枠を使い切っている……焦れてきている証拠だし、これならいなせると思った」
鈴木徳真は、中盤で時間を作ることによって相手の攻め気をそらし続けることを決めていた。
結局、89分にCKから1失点は喫したものの、アディショナルタイムを含めて最後まで冷静に戦い抜いた筑波大が、2-1の勝利を掴みとることとなった。