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データで占う今年のJ1降格クラブ。
勝点ひとケタで折り返した新潟は……。

posted2017/07/13 11:30

 
データで占う今年のJ1降格クラブ。勝点ひとケタで折り返した新潟は……。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

15位の札幌とは勝点差8。得失点差でもダントツの最下位。新潟が残留するためには、奇跡が必要だ。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 J1リーグは18節までを終了し、3週間の中断期間に入った。シーズン最終節は12月2日で、リーグ戦のゴールテープはまだはるか遠い。

 それでも、J1残留争いについては、未来を予感させるデータがある。

 過去10シーズンのJ1リーグでは、17節終了時で最下位のチームが1つの例外を除いてJ2へ降格している。昨年はアビスパ福岡が、一昨年は清水エスパルスが、'14年は徳島ヴォルティスが、降格圏から抜け出せずにシーズンを終えた。前半戦で負った負債は、どのチームにも重くのしかかることが分かる。

 前半戦最下位からの残留を果たした唯一のケースは、2008年のジェフ千葉だ。2勝4分11敗の勝点10で17節を終えたチームは、残留圏となる15位の清水エスパルスに勝点9差をつけられていた。しかし、18節以降を8勝4分5敗の成績で乗り切り、勝点を38まで伸ばす。勝点37のジュビロ磐田と東京ヴェルディをギリギリでかわし、J1への生還を果たしたのだった。

 最下位ではなく16位、17位から残留したケースは、実は意外なほど多い。'07年以降の10シーズンを振り返ると、前半戦終了時点で降格圏の3チームがそのままJ2へ転落したのは、2011年と13年の2度に限られる。今シーズンは大宮アルディージャ(16位)、サンフレッチェ広島(17位)、アルビレックス新潟(18位)が降格圏から後半戦へ挑んでいるが、彼らはまだ希望を抱くことができる。

勝点ひとケタの新潟には厳しいデータが……。

 後半戦のスタートとなる18節で浦和レッズに敗れた新潟は、ここまで2勝2分14敗で勝点8となっている。ただ、'12年は16位から、'15年は17位から残留に成功している。昨年も名古屋グランパスと勝点30で並びながら、得失点差で15位を確保した。

 ただし、新潟にはシビアなデータもある。勝点がひとケタで前半戦を終えたチームが、残留へ辿り着いたことは一度もないのだ。J1が18チームに固定された'05年以降までデータを広げても、前半戦終了時に勝ち点が2ケタに到達していないチームはJ1に止まることができていない。呂比須ワグナー監督が指揮する新潟は、Jリーグの歴史に挑んでいるのだ。

【次ページ】 残留ラインは、上位クラブの勝点で決まる。

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