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MLBの本塁打量産と3人の伏兵。
遅咲きのジャーニーマンに要注目。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/07/08 08:00

MLBの本塁打量産と3人の伏兵。遅咲きのジャーニーマンに要注目。<Number Web> photograph by AFLO

イチローとマリナーズ時代に同僚だったスモーク。ついにそのスラッガーとしての力が発揮されつつある。

30歳前後の3人には複数球団を渡り歩いた共通点が。

 とくに興味を惹くのは、L・モリソン、J・スモーク、E・テイムズの3人ではないか。年齢は、そろって30歳前後だ。そして彼らには、この数年、ジャーニーマンとして複数の球団を渡り歩いてきたという共通点がある。

 大リーグ8年目のモリソンは、3球団(マーリンズ→マリナーズ→レイズ)を転々としてきた。ドラフトは22巡指名。昨季まで7年間の通算打率は2割4分5厘で、本塁打総数が84本。11年には23本を打ったが、他はすべて20本以下だった。

 つまり、「くすぶり」の典型である。話題になったといえば、〈ノードストローム〉(ちょっと高級なデパート)で赤ん坊に授乳していた女性を自身のツイッター上で非難したところ、たちまち炎上したことぐらいだろうか。ぱっとしない話だが、本業はもっとぱっとしなかった。

イチローと同僚だったスモーク、韓国にもいたテイムズ。

 スモークも、新人のころは期待されていた選手だった。大学時代はマーク・テシェイラ2世と呼ばれたほどのスイッチヒッターで、ドラフト指名も1巡目(全体11位)。ただ、故障に泣かされ、レンジャーズ→マリナーズ→ブルージェイズと渡り歩いてきた。しばらくの間はイチローとチームメイトだったから、顔や名前を覚えている方は少なくないはずだ。

 テイムズの場合は、韓国リーグで過ごした3年間('14~'16年。NCダイノス)が大きな転機になった。メジャーでのプレーは、韓国以前がブルージェイズとマリナーズで、韓国以後がブルワーズ。マイナーリーグでも複数の球団を渡り歩いている。

 彼の場合は、モリソンやスモークとちがって、さほど前評判の高い新人ではなかった。本塁打数を見ても、ダイノス以前が21本(2年合計)、ダイノス在籍中が124本(3年合計)、ダイノス以後が21本(3カ月)と、明らかに大化けしている。阪神タイガース('89年)からデトロイト・タイガース('90~'96年)に移った直後、驚異的な大活躍を見せたあのセシル・フィルダーに似ていなくもない。

【次ページ】 彼ら3人は、本格的に開眼したのだろうか?

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