スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
MLBの本塁打量産と3人の伏兵。
遅咲きのジャーニーマンに要注目。
posted2017/07/08 08:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
先日も紹介したばかりだが、大リーグの本塁打量産が止まらない。7月2日現在、大リーグ全体の本塁打総数は3105本に達した。8万4038打数でこの数だから、相当のハイペースだ。この調子で行くと、6000本を超える可能性もなくはない。史上最多の本塁打数は、2000年の5693本だが、このときの総打数は、16万7290だった。
いきなりこんな数字を提示しても、ピンと来ないかもしれない。では、1試合平均ではどうだろうか。2017年は、いまのところ1.26本。'16年が1.16本、'00年が1.17本、3年前の'14年は0.86本だったから、これも様変わりだ。
こういう波が生じると、とんでもない現象がつぎつぎと起こる。アーロン・ジャッジやコーディ・ベリンジャーといった破格の新人が出現しただけではない。意表を衝く名前が、本塁打王争いの上位に散見されるのだ。
本塁打王争い常連のメンバーがあまり見当たらない。
ではまず、7月2日現在の本塁打数ランキングを紹介しておこう(大リーグ全体)。
1位:アーロン・ジャッジ 27本
2位:ジョージ・スプリンガー、ローガン・モリソン、コーディ・ベリンジャー 24本
5位:クリス・デイヴィス、ジョーイ・ヴォット 23本
7位:マルセル・オスーナ、ジャスティン・スモーク、マイク・ムスタカス 22本
10位:ジョーイ・ガロ、エリック・テイムズ、ジャンカルロ・スタントン 21本
このすぐ下には、ブライス・ハーパー、ポール・ゴールドシュミット、アンソニー・リゾといったビッグネームがつづくのだが、本塁打王争いの常連ともいうべきネルソン・クルーズ、マーク・トランボ、Cではじまるクリス・デイヴィス、ノーラン・アレナドなどの名前は見当たらない。
さらにいうと、上位12名のなかで野球ファンにお馴染みの名前は、G・スプリンガー、J・ヴォット、K・デイヴィス、M・オスーナ、G・スタントンぐらいにとどまっている。
問題は、残りの伏兵だ。