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ルメールは馬の気持ちに騎乗する。
安田記念で、4週連続のGI勝利へ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/06/03 08:00
顔立ち、愛嬌ふくめ「かわいい」と人気のイスラボニータ。ちなみに「ボニータ」とはスペイン語で美しい、かわいいの意。
ルメールはプレッシャーに弱いと思っていたが……。
私は正直、昨年のメジャーエンブレムの桜花賞やマカヒキの凱旋門賞、そして今年のソウルスターリングの桜花賞などを見て、ルメールはプレッシャーに弱いのではないかと思っていた(敗因は彼の騎乗ミスだと言うつもりはもちろんない)のだが、今年のダービーの大胆な騎乗を見て考えを改めた。あの優しそうな笑みの下に、重圧などいとも簡単にはねのける強さと厳しさを隠し持っている。
イスラボニータが、皐月賞以来3年ぶりのGI制覇をやってのける可能性はかなり高いように思う。
先月の16日、1992年と1993年の安田記念を連覇したヤマニンゼファーが世を去った。29歳だから大往生と言っていい。そのヤマニンゼファーを管理していたのは、イスラボニータと同じ栗田調教師だ。
ルメールが、自身の大記録を打ち立てると同時に、往年の名馬の物語を蘇らせるか。その手綱さばきに注目したい。
デムーロの「空気を読まない好騎乗」再び?
ここで、印を。
◎イスラボニータ
○ステファノス
▲エアスピネル
△レッドファルクス
×アンビシャス
注グレーターロンドン
厳しい戦いとなった大阪杯でキタサンブラックに迫る2着となったステファノスが、叩き3戦目を迎える。かなりの確率で勝ち負けになるだろう。
エアスピネルは、空前のハイレベルと言われた世代にあって、マイルで強さを見せてきた馬だ。もうワンパンチほしい印象もあるが、そこは武豊の腕で何とかしてほしい。
レッドファルクスは、芝でもダートでも勝っているように能力に幅があり、このくらいの距離延長なら問題なく力を発揮しそうだ。一昨年の朝日杯フューチュリティステークスで武の全GI制覇を阻んだミルコ・デムーロが、またも「空気を読まない好騎乗」で勝ってしまうことも充分考えられる。
アンビシャスはマイルのほうが折り合いやすいだろうし、距離実績もある。