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清宮幸太郎は早大進学より即プロへ!
東大相手に本塁打を量産しても……。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2017/05/29 07:00

清宮幸太郎は早大進学より即プロへ!東大相手に本塁打を量産しても……。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

高校3年間着用した「WASEDA」のユニフォームを大学でも着るのか、それとも……。清宮の進路は、大きな注目を集めることになる。

大学・社会人を回ったのは原辰徳、福留孝介ぐらい。

 ただ彼らに共通するのは高校卒業時、ドラフト1位で指名されるほどの評価がなかったこと。ドラフト以前の大下弘(明治大予科)、長嶋茂雄(立教大)も大学で素質が花開いた遅咲き組と言っていい。

 高校卒業時にドラフト1位の評価を受けながら大学、社会人に進んだスラッガーは原辰徳(東海大)、福留孝介(日本生命)など数えるほどしかいない。高い評価を受けた高校生スラッガーは100パーセント近く、直でプロ入りしていると言っていい。

 1、2番を任されるチャンスメーカータイプは大学、社会人出身者が多いが、それは偶然ではない。大学野球や社会人野球はバントや逆方向の軽打を要求されることが多い。スラッガータイプにとってそれはマイナスになりかねないが、1、2番タイプにとってはプロで生きていく上でも役に立つ。

 現役なら、秋山翔吾(八戸大→'10年西武3位)、菊池涼介(中京学院大→'11年広島2位)、田中広輔(東海大→JR東日本→'13年広島3位)、茂木栄五郎(早稲田大→'15年楽天3位)がその典型である。

WBC日本代表の野手の経歴を見てみると……。

 ちなみに今年行われたWBCの侍ジャパンのメンバー(野手)とその経歴も紹介しよう。

◇高校卒:炭谷銀仁朗(龍谷大平安)、坂本勇人(光星学院)、中田翔(大阪桐蔭)、山田哲人(履正社)、内川聖一(大分工)、平田良介(大阪桐蔭)、筒香嘉智(横浜)、鈴木誠也(二松学舎大付)

◇大学・社会人出身:大野奨太(東洋大)、小林誠司(同志社大→日本生命)、松田宣浩(亜細亜大)、田中広輔(東海大→JR東日本)、菊池涼介(中京学院大)、青木宣親(早稲田大)、秋山翔吾(八戸大)

 高校卒組は8人中7人がドラフト1位で(高校生ドラフト1巡の坂本と中田、炭谷、平田を含む)、大学・社会人出身組は7人中ドラフト1位が3人 (希望枠の松田を含む)だけ。スラッガータイプは高校時代に高く評価され、プロ入り後も順調に成長していると判断してよさそうだ。

【次ページ】 宮台康平が卒業する東大はさらなる弱体化が。

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