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高橋光成が受け止める11敗の重さ。
期待に応えるためには、精度と体力!
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2017/02/26 08:00
今年初めのイベントに丸刈りで登場した若獅子。「今年はやります」とプロ3年目の決意を新たにした。
「結果が出ていないので、とにかく何でも試したい」
昨年のシーズン後半、中継ぎに回った際には、疲労困憊の様子でロッカーに戻る高橋の姿を何度も目にした。
シーズン中にも体力強化のために、ゴムチューブを使うトレーニングで体をいじめた。「結果が出ていないので、とにかく何でも試したい」(高橋)という、藁にもすがる思いからの練習だった。
“思い切りの良さを消さない”という条件。
土肥投手コーチに、高橋がシーズンを通じて結果を残すために必要なことを尋ねると、こう教えてくれた。
「光成の思い切りのいい投げっぷりを変えないまま、コントロールがよくなることですね。コントロールの精度を上げたいんだけれど、そこには“思い切りの良さを消さない”という条件付きです。コントロールを気にして置きに行ったらダメでしょう。光成の長所である腕の振りやフィニッシュの強さをなくさないまま、今は散らばっているところからもう少し幅を狭めて、安定性を高めていくことが必要です」
キャンプ中、毎朝行ったウォーキング・トレーニングはその課題を克服するためのひとつの方法である。
「手だけでコントロールをつけるのではなく、自然にできるようにと、あの練習を取り入れました。体を木に例えると、腕は枝で胴が幹。その幹をつかって投げるようなトレーニングと、その動きを覚えるための練習をしています」
投球練習のみならず、キャッチボールのときから、体幹を使った投げ方を植え付けようと意識していると話す。