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何もかもが対照的だったゼロックス杯。
鹿島と浦和は大事にする要素が真逆!
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/02/20 11:55
鹿島と浦和。今年もJの優勝を争うであろう2クラブが全く違うカラーを持っていることは、日本のサッカーにとって楽しいことだ。
駆け引きではなく、攻撃の徹底を選んだ浦和。
一方、浦和は攻撃的なスタイルを掲げているが、ホームで逆転されたチャンピオンシップ決勝第2戦を顧みれば、今シーズンは守備力やゲームマネジメント、駆け引きを磨くことに主眼が置かれても不思議はなかった。
だが、ミハイロ・ペトロビッチ監督が打ち出したのは、さらなる攻撃の徹底。「相手に90分プレスを掛け続け、相手のコートで試合をする」と選手たちに説き、これまで以上にバランスの針をさらに攻撃へと傾け、相手を圧倒することを誓った。
即戦力を獲った鹿島、将来性を取った浦和。
鹿島戦では、3日後のACLに備えて槙野智章と前日に負傷した柏木陽介をメンバーから外し、興梠慎三もベンチスタートだった。そのため、相手を押し込み続けるような場面は見られなかったが、それでもプレスを掛けに行く前線の選手に呼応して高く設定されたディフェンスラインから、今シーズンの狙いがうかがえた。ラインをコントロールした遠藤航が新シーズンの戦い方について語る。
「攻撃も守備も相手陣内でやるのはリスクもありますけど、後ろの選手としては、前でボールを奪う意識を常に持たなきゃいけないと思っています。去年よりもハーフウェイラインを越えて守備をするシーンはすごく増えるかなと。そこでボールを奪い切れれば、チャンスになる。行くときと行かないときの判断も大事になると思っています」
今オフの補強戦略も対照的だった。
ブラジル人選手3人(前述のふたりと元ブラジル代表MFレアンドロ)と韓国人GKクォン・スンテ、計4人の助っ人を獲得した鹿島が自前の選手でカバーし切れないポジションに一線級の選手を加えて戦力を一気に高めたのに対し、浦和はラファエル・シルバ(前新潟)こそ即戦力だが、どちらかと言えば、将来性のある若い選手たち(長澤和輝、矢島慎也、田村友、菊池大介)を獲得して「レッズカラー」に染めようとしているイメージだろうか。