“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
レアルと戦った偉大なる先輩に続け!
母校・米子北の躍進の陰に昌子源アリ。
posted2016/12/21 17:20
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
埼玉スタジアムで青森山田vs.サンフレッチェ広島ユースのチャンピオンシップが行われた翌日、埼玉から約800km離れた広島では来季のプレミアリーグ(高円宮杯U-18サッカーリーグ )参入を懸けたトーナメント戦が行われた。
プレミアリーグの下部リーグ・プリンスリーグ(全国で9地域)の上位チームが広島に集結し、トーナメント方式で2回勝利を収めれば、リーグ昇格が決まるこの戦い。プリンスリーグ中国を2連覇した米子北高校(鳥取)は、3年連続でこの大会に臨んでいた。
米子北がユース年代最高峰のプレミアリーグに辿り着くための道のりは、非常に険しいものだった。初戦の相手は、最激戦区・プリンスリーグ関東で年間3位となった東京ヴェルディユース。ここを突破しても、プリンスリーグ北海道の覇者・コンサドーレ札幌U-18vs.プリンスリーグ四国王者・明徳義塾の勝者と戦う必要があったのだ。
後輩たちの挑戦を後押しした、昌子源の活躍。
プレミアリーグへの参入戦と呼ばれるこのトーナメントで、米子北は2年連続で敗れている。
一昨年は2回戦で大分トリニータU-18に1-3、昨年は1回戦でジュビロ磐田U-18に0-3と、「Jユースの壁」に阻まれての敗退だった。今年は過去の悪夢を払拭すべく、3度目の正直といえる戦いとなった。
この厳しい戦いに臨む彼らの背中を力強く後押したのが、米子北OBの昌子源だった。
ちょうど同じ時期、昌子は鹿島アントラーズの一員としてクラブワールドカップに出場し、気迫溢れる守備と抜群の統率力で鹿島大躍進の立役者となっていた。
「源がああやって世界を相手に、まさに羽ばたこうとしているこのときに、ウチも参入戦があって。本当にちょうど重なったというか、選手達に良い刺激を与えてくれている。選手達の自信と誇りに繋がっていると思う」
昌子の恩師であり、サッカー部総監督を務める城市徳之は、教え子の成長に目を細める。
ちょうど1年ほど前、昌子は後輩達の激励のために、彼らが練習をするグラウンドにやって来たという。そこで一緒に生徒たちと汗を流す中で、自らの考えをしっかりと後輩たちに植え付けていったのだそうだ。