“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
レアルと戦った偉大なる先輩に続け!
母校・米子北の躍進の陰に昌子源アリ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/12/21 17:20
米子北高・中村真吾監督は試合後、「粘り強い守備陣が勝因」とコメントしている。
母校が昇格した7時間後、レアルと対峙した昌子。
「今日、(昌子先輩が)レアル・マドリーと戦うんですよね。本当に凄い」(池澤)
米子北が広島でプレミアリーグ昇格を決め、サッカー部の歴史を塗り替えてから7時間後、昌子はクラブワールドカップ決勝、横浜のピッチに立っていた。
まるで後輩達から背中を押してもらったかのように、昌子は気迫溢れる守備でレアルの攻撃陣の前に立ちはだかり、1対1でも負けなかった。
その粘り強く冷静な守備は間違いなくレアルを苦しめ、延長戦までもつれ込む熱戦となった要因のひとつとなった。
「決して恵まれたとは言えない、米子北のぐちゃぐちゃの土のグラウンドで泥だらけでプレーをしていた選手が、ああやって世界中が注目する大舞台でプレーを見せてくれた。(米子北の)選手達にとってもかなりの自信になっているし、自分達も真剣に頑張れば、ああいう風になれるかも、という気持ちでやってくれていると思う」(城市総監督)
先輩に背中を押された後輩がプレミアリーグ昇格戦で結果を出し、後輩の背中を押した先輩がさらにレアル戦で躍動した。
次は再び、先輩の活躍の勢いをそのままに、後輩たちが高校選手権に臨む番だ。
そんな素晴らしい関係は、やがてチームの確固たる伝統となり、これからも米子北というチームに息づいていくことになるはずだ。