岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
岩渕健輔がジョセフ体制初陣を語る。
経験値や連係より、まずフィジカル!
posted2016/11/17 11:30
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph by
AFLO
こんにちは。ラグビー日本協会、代表GMの岩渕健輔です。
現在、ラグビー界は、秋の「ウィンドウマンス(年に2回、各国代表がテストマッチを行う期間)」を迎えています。日本代表もアルゼンチン戦を皮切りに、ジョージア、ウェールズ、そしてフィジーとテストマッチを重ねている最中です。今回は11月5日、秩父宮ラグビー場で行われたアルゼンチン戦、そしてアウェーで開催されたばかりのジョージア戦について、皆さんと一緒に振り返っていきたいと思います。
まずアルゼンチンとのテストマッチですが、この試合はラグビーワールドカップのイングランド大会が終わった後、日本代表がどれだけ成長したのか、世界と戦う上でどこまで地力がついたのかを見極める絶好の機会になっていました。
相手がどこであれ、テストマッチというのは必ず勝たなければならない試合ですが、ましてやアルゼンチンは、昨年のラグビーワールドカップ(RWC)イングランド大会で4強に食い込んだ強豪です。その意味においても、日本代表にとっては重要な試合になっていました。
3年後に迫ったRWC日本大会で決勝トーナメント進出を果たし、さらにはベスト4進出を目指すのであれば、アルゼンチンをはじめ、今回のテストマッチ期間中に対戦する相手には、いずれも勝利を収められるようなレベルに到達していく必要があるからです。
アルゼンチン戦大敗の理由は何だったのか。
しかし日本代表は、アルゼンチンに20-54と大差で敗れました。私たちは、この結果をいかに受け止めるべきでしょうか。
試合後には、さまざまなメディアによって戦術的な敗因が解説されました。また、テストマッチに向けた練習期間がきわめて限られていたこと、ジェイミー・ジョセフ体制にとっての初陣であったこと、初キャップを獲得した選手が多いために、チーム全体としての経験値が不足していたことなども、アルゼンチンに敗れた主な要因として挙げられています。