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竹下佳江が語る五輪バレーの敗因。
またプレーしたくは、「なりません」。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byJMPA

posted2016/09/08 11:00

竹下佳江が語る五輪バレーの敗因。またプレーしたくは、「なりません」。<Number Web> photograph by JMPA

21歳にしてセッターという重責を担った宮下遥。竹下がロンドン五輪で銅メダルを獲得したのは34歳の時、まだまだ時間はある。

「日本のレベルはちょっとずつ下がっている」

 日本が予選ラウンドで敗れたブラジル、ロシア、韓国はいずれも準々決勝で敗れ、アメリカも3位にとどまった。優勝したのは長身の若手選手が揃い、組織力も兼ね備えた中国だった。

「世界のレベルはどんどん上がっているのに、日本のレベルはちょっとずつ下がっている。課題は山盛りですよね。本当にどのポジションもトータルでレベルを上げないといけないし、その上で組織として成り立たないと」と竹下さんは危機感を募らせる。

 山盛りの課題の中の一つが、攻撃のバリエーションを増やすことだ。ミドルブロッカーの攻撃もそうだが、パイプ攻撃と呼ばれるコート中央からのバックアタックも少なく、アウトサイドの選手が後衛で攻撃参加する場面が減っている。

「ロンドンのあと日本は、『ハイブリッド6』など、いろんなことを試みました。何か新しいことをしなければ日本は勝てないということで、どんどんチャレンジしていったんだと思います。でも、それを元に戻していくにつれて、だんだんバレーがオーソドックスになっていった感じがしました。アウトサイドの選手もバックアタックにずっと入って、チームとして全員がシンクロして攻撃を仕掛けるというものが減っていった。あれはもったいないなと思いました。

後衛のアウトサイドにも攻撃に参加して欲しい。

 私たちがやっていた頃は、沙織などサーブレシーブをする人も絶対バックアタックに入っていこうという形だったから、攻撃の選択肢が常に4つありましたが、今は遊んでいる人もいる。(後衛のアウトサイドは)レシーブだけでいい、みたいになっていて、そうなると相手が(日本の攻撃を)見やすくなってしまいます。

 サーブレシーブをする人はまずそれに集中しなさいという感じなのかもしれませんが、私は絶対にパイプのサインを出していました。意識づけですよね。常に『上がってくるかもしれない』と意識することが大事です。ラリー中も準備しておかないといけない。準備していない時ほど、練習中はわざとトスを上げたりもしました。そこで『あ! しまった』となると、入らなきゃいけないという強い意識が生まれるので。『準備しといてよ』と言ったりもしましたし。だから頭が休憩する暇はなかったと思いますよ。『もしトスが上がった時、打たなかったら怒られちゃう!』って。

 以前は、『理想はブラジルの男子バレーだ』と言って、ジバ(ジルベルト・ゴドイフィリョ)のように、拾ってからでもバックアタックを速いテンポで打つ、といったイメージを持ってやっていたけど、そういうイメージが、もしかしたら今のチームにはなかったのかもしれません」

【次ページ】 またプレーしたくなったかを聞いてみると……。

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