リオ五輪PRESSBACK NUMBER
女子バレー、細部に神は宿らず。
世界に届かなかった「4つの点」。
posted2016/08/17 14:40
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JMPA
時間が足りなかった。細かなところまで詰め切れなかった。
8月16日、バレーボール全日本女子は準々決勝でアメリカと対戦し、0-3と敗北した。
ロンドン五輪で銅メダルを獲得して4年。世界一を目標にしてきたチームは、目標に届かず、メダルを手にすることもなく大会を去ることになった。
その原因はどこにあったのかを考えると、時間の無さと、それゆえに修正が間に合わなかった細かな部分が浮上してくる。
金メダル獲得の条件として、眞鍋政義監督は「4つの点」で世界一になることを目標に掲げてきた。サーブ、レセプション(サーブレシーブ)、ディグ(スパイクレシーブ)、そしてミスによる失点の少なさである。
日本は、平均身長で海外の強豪に劣る。身長の違いが大きく影響しないディフェンスとサーブを、突破口と考えてきた。
だが大会では、その4つが世界一には程遠い現状が浮き彫りになった。
サーブの緻密さで、ロシアに遅れをとっていた。
サーブで印象的なのは、グループリーグで対戦したロシアとの違いだ。
ロシアは徹底して、狙いどころを決めてサーブを打ちこんできた。そこまでならば、日本も変わらない。違いはその先にある。日本が狙いどころの選手へ向けてただ打つ傾向が強いのに対し、ロシアは、前へ落とす、あるいは後ろへと、バリエーションをつけていたのだ。その分日本のサーブは拾われやすく、逆に日本のレシーブは崩されがちだった。
ロシアの方が、サーブの緻密さで上回っていたのは否めない。初戦の韓国戦を筆頭に、日本のサーブはどこかあいまいなままだった。攻撃的なサーブではない分、相手に攻撃で切り返されてしまう。レセプションやディグにおいても、参加国の中でトップクラスの数値を残せずにいた。
こだわってきたはずの部分で、突き詰め方が甘かったのである。