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M・ジョーダン、C・アンソニーら、
社会問題に声をあげる新たな“うねり”。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2016/08/08 11:30

M・ジョーダン、C・アンソニーら、社会問題に声をあげる新たな“うねり”。<Number Web> photograph by Getty Images

ESPYに出演した時の4人。左からカーメロ・アンソニー、クリス・ポール、ドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズ。

レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイドなど続々。

 その後、このメッセージを読んだアスリートたちが、少しずつ同じように声をあげ始めた。

 アンソニーと、彼の親友でもあるレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ポールは、その数日後に開催されたESPY(スポーツ専門メディアのESPNが主催する、アスリートたちを表彰するセレモニー)の舞台で、改めてアスリートたちに向かって、行動を訴えた。

「(ESPYのスピーチをする)きっかけはカーメロのインスタグラムの投稿だった」とウェイドは振り返る。「近々行われるESPYという舞台を使えば、僕らの言葉はまた違った受け止め方をしてもらえるかもしれないと考えた。ふだん、僕らはそれぞれ別々に、自分たちの基金や地元で活動しているけれど、こういう舞台があって、話を聞いてもらえる機会があるのなら、それを使おうと考えた」

 自分たちで話す内容を考え、ESPYの冒頭でアスリートたちに「行動を起こそう」「コミュニティを繋ぐ役割を果たそう」と呼びかけた。NBA選手であると同時に、家族がいるひとりの人間として、アスリート仲間に語りかけた。

アンソニーが開いた、対話のための集会イベント。

 7月25日、ジョーダンが声明を発したのと同じ日、アンソニーは、実際に行動に移していた。

 アメリカ代表のエキジビションゲームのために滞在していたロサンゼルスで、地元の若者や警官らを集め、お互いを理解するタウンホール・ミーティングを開催したのだ。アンソニーの提案で実現したこの集会には、アンソニーだけでなく、男女アメリカ代表の選手たちも全員参加した。

 参加した警官の1人は、「私や参加した多くの警官にとって何より大きかったのは、安全な場所で、若者と深い会話をすることができたことだ」「それまで気づかなかったような視点に気づいた面もあった」「この先、変化を作り出すために必要な会話と、その会話をするための場所となった」と、集会の与えた影響の大きさを語っている。

【次ページ】 “ブラック・パワー・サリュート”との違いは?

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