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女子バレー代表はなぜこの12人か。
世界一を狙うのに必要な4要素とは。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAFLO
posted2016/06/29 17:30
佐藤あり紗と座安琴希の本職はリベロ。リオ五輪は2人の守備職人を入れてディフェンス力アップを狙う。
石井のレシーブ、鍋谷のサーブを高く評価。
石井、鍋谷の選考理由について、眞鍋監督はこう明かした。
「石井はサーブレシーブがここ数年安定してきたし、ディグ(スパイクレシーブ)は的確なポジショニングをしていて、本当にいい。五輪最終予選でもいいところで活躍してくれた。鍋谷は、なかなかスタートから行くことはないが、ピンチサーバーとして必ず点数を取って、ディグをして帰ってくる。ムード的にも明るく、本当に一生懸命にやる日頃の姿勢がいい」
一方、昨年のワールドカップで海外勢の高いブロックを相手に得点ランキング5位となる活躍を見せ、次世代のエースと期待された古賀は選考から外れた。
古賀は5月のリオ五輪世界最終予選では木村の対角に入ったが、攻守ともに不調に終わった。
それでも大会後、不調の原因を分析し、懸命に修正をはかった。スパイクに関しては、速くしていたトスを、しっかりとブロックを見て打ち分けられる高さのあるトスに戻したり助走を変えることで、「強打と軟打を織り交ぜて打つなど、自分のやりたいことができるようになってきました」とワールドグランプリの中で復調していた。
サーブレシーブについても、「(五輪予選の時は)打たれた瞬間に動いてしまってミスするケースが多かったので、動かずに待って取ろうと意識するようになって、安定してきた」と手応えをのぞかせていたが、20歳での五輪出場はかなわなかった。眞鍋監督は、「ディフェンス力というところは、これからの彼女の課題」と語った。
パスヒッターが少ないのを覚悟で、守備力を取った。
今回のリオ五輪の日本のメンバー構成は、セッター2、ミドルブロッカー3、パスヒッター3、ポイントゲッター(サーブレシーブをしないウイングスパイカー)2、レシーバー1、リベロ1の計12人。
最大8試合を戦わなければならない五輪において、コート内の6つのポジションのうち2つを占めるパスヒッターが、控えを含めて3人しかいないというのはやや心もとない。また、レシーバーが入ることによって攻撃の選択肢が減るというデメリットもある。しかしそれよりも、重要な場面でのサーブレシーブの安定とディグ力のアップを優先した。