フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
宮原知子、完璧主義の17歳――。
四大陸完勝で見えた世界の頂点。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU via Getty Images
posted2016/02/22 16:30
「四大陸は優勝を目標にやってきたので、嬉しいです」と明確に優勝を意識し、それを確実に成し遂げた宮原知子。
5年ぶりに表彰台に戻った長洲未来。
長洲未来はSP、フリーとも安定した演技を見せて総合2位に入り、5年ぶりにこの大会で表彰台に返り咲いた。
「こんな滑りができたのは、本当に久しぶりのことと言って良いと思います」と会見で語った長洲。
8年前に14歳で全米女子チャンピオンになってから、好不調の波が激しく国の代表になれない年もあった。特にジャンプの回転が足りない傾向が足を引っ張ってきたが、ここではSP、フリーを通して一度も回転不足の判定を取られなかった。
その理由は、高地トレーニングだと明かす。2014年春から、コロラドスプリングのリンクを拠点としているのだ。
「平地に降りてくると、これまでより力強いジャンプが跳べるようになった。またコーチのトム(ザカライセック)は技術的にとても優れていて、私のジャンプを修正してくれました」
ボストン世界選手権は補欠だが、来季に向けてまたトレーニングするのを楽しみにしていると言葉を結んだ。
「理想のスケーターは鈴木明子さん」と3位の本郷理華。
3位は、昨年に続いて2度目となる本郷理華だった。
SPで4位スタートし、フリーでは転倒もあって5位。だがSP2位だった村上佳菜子がフリーで13位まで落ちてしまい、総合点で3位に上がった。
「去年初出場で3位で、今年も表彰台に上がれたのは嬉しい。でも演技自体はまだまだ課題がある。まだできることはあるので、帰ってからしっかり練習しようと思います」
SPもフリーも、難しいプログラムに挑戦した今シーズン。なかなかノーミスで滑りきることができずに苦戦しながらも、成長のチャンスととらえている。
「(今季のプログラムは)やはり去年のプログラムとは違う。苦労しています。(これらを滑りこなすために)自分はジャンプでもスケーティングでも力を入れる癖があったのですが、足首とかをしっかり使うようにして、リラックスして滑らかに自然と滑っていけるようなスケートをできるように練習しています」
理想としている選手は、たまに指導も受けている鈴木明子だという。1カ月後には、ボストンでシーズン最後のチャレンジが待っている。