フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
米国王者J・ブラウン「ユヅルには脱帽」。
フィギュア全米選手権棄権の衝撃。
posted2016/01/09 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
現地時間1月7日、現全米男子チャンピオン、ジェイソン・ブラウンが1月15日からミネソタ州セントポールで開催される全米選手権を棄権することが公式に発表された。
「言葉に言い表せないほど、がっかりしています。でも医師のアドバイスに従ってしっかり体を休ませれば、100%の状態で戻ってこられると言われています。あまり落ち込まずに、この休養をポジティブにとらえてさらに成長したいと願っています」
7日木曜日午後、USFSA(全米フィギュアスケート協会)主催によるコンフェレンスコールでメディアの取材に応じたブラウンは、このように語った。
GPシリーズのNHK杯も欠場していたブラウン。
12月に21歳になったばかりのブラウンは、今シーズンはGPシリーズ初戦のスケートアメリカで3位に入賞。だが腰の痛みを理由に、彼にとって2戦目である11月のNHK杯を棄権していた。その後、2週間ほど氷に乗らずに静養したという。
「痛みは怪我や転倒によるものではなく、徐々に少しずつ積み重なっていったもの。全米に出られるように少しずつトレーニングを再開していったが、まだ体はプッシュできる準備ができていなかった。現在はフィジカルセラピーなどを受けて、少しずつ回復している状態です」
昨年4月の国別対抗戦で来日し、日本が大好きになったというブラウンにとって、NHK杯欠場は苦渋の選択だった。
ボストンでの世界選手権のメダルを期待する米国。
今シーズンの世界選手権はボストンで開催され、2009年のロサンジェルス以来7年ぶりに米国開催となる。当然米国代表の選手は、表彰台に上がることが期待されている。
USFSAのルールによると、全米選手権の優勝選手は(年齢的に可能な限り)自動的に世界選手権の代表に選抜される。だが2人目、3人目の代表は総合的な状況を考慮して、連盟が任命する。
米国の男子が世界の表彰台に上がったのは、2009年のエヴァン・ライサチェックが最後である。USFSAは自国開催の世界選手権で、面子にかけても自国の選手にメダルを取らせたいと願っていることは間違いない。