スポーツ百珍BACK NUMBER
道頓堀に続き、代々木公園で大騒ぎ。
リーベルサポを直撃、「日本、どう?」。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySatoshi Shigeno
posted2015/12/22 10:40
熱狂の渦と化した代々木公園。冬空に赤と白のチームカラーはとても映えていた。
「日本のプレーヤーはシャイなのかな」
――準決勝の広島戦、1-0という試合だったよね。
ミゲル「とても訓練された、強いチームだった。点を取るまでは、応援している僕たちも苦しかった」
アレサンドロ「準々決勝(マゼンベ戦)をテレビで見ていた友人は『ナンバー6(青山敏弘)に注意だ』と言っていた。いいロングパスを蹴るから、スピーディーにチェックしなきゃいけない、ってね。彼を抑えられたから、1-0で勝てたんだと思う」
マルティーノ「そうだね。あ、僕は準決勝を観戦していて『日本のプレーヤーはシャイなのかな』って思ったんだよ」
リードされてからも、広島はあまり変わらなかった。
日本人選手がシャイ?
言葉の真意を、マルティーノに聞いてみる。
「後半にゴールを取って、僕たちはリードした。でも彼ら(広島)はうまくパスを回していた。だから、もっとオフェンシブになるんだろうな、と思っていた。だけど、彼らはそんなに変わらなかった。金髪の14番(ミキッチ)はアグレッシブだったけどね。他の選手がもっとアグレッシブ、エモーショナルにプレーしてきたら、違う展開になったかもね。もちろん、最後に勝つのはリーベルだけど(笑)」
確かに準決勝を思い返してみると、リーベルが試合をコントロールしたのは1-0になって以降だった。広島は12月に入って5試合目の公式戦という超過密日程で、疲労があったことは考慮しなければいけないが、リードされる前の試合運び、そして3人組の話を踏まえると、リーベルを追い詰めるチャンスをあと一歩で逃した無念さが強くなってしまう。
マルティーノは続ける。
「旅行してみて、日本人がとても親切というのが本当だと知ったよ。でも、それと同時にシャイだよね。僕たちは、いつも陽気だからね(笑)。それはサッカーにも現れているのかもしれない。でも、日本人だってエモーショナルにプレーできるじゃないか」
エモーショナルなプレー……いつのことを言っているのだろう。'10年の南アフリカW杯辺りの印象だろうか。
しかしW杯はW杯でも、マルティーノの答えは別の競技だった。
「僕たち、サッカーだけじゃなくて、ラグビーも自分でプレーするほど好きなんだ」