プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミア4クラブのペップ争奪戦!
マンCのバルサ人脈が物を言うか。
posted2015/12/27 10:50
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
AFLO
プレミアリーグのビッグクラブは「ペップ・トーク」に忙しい。
といっても、元々の意味である「激励」を、下位低迷中のチェルシー、取りこぼしのあるマンチェスター・シティ、優勝争いに絡めていないマンチェスター・ユナイテッド、逆に優勝の現実味が増しているアーセナルの各フロント陣が繰り返しているわけではない。“ペップ”ことジョゼップ・グアルディオラがイングランドに上陸する可能性が盛んに論じられているのだ。
現バイエルン・ミュンヘン指揮官の動向は、かねてから注目されていた。「親しい友人に打ち明けた」といった類の報道は後を絶たず、国内では「次はプレミア」が確定事項とみなされてもいる。そこに12月20日に発表された今季末でのバイエルン退団という事実が加われば、招聘の噂に拍車が掛るのも無理はない。
当人が「新たなチャレンジ」を求めてバイエルンを去ることからも、成功を収めたリーガ・エスパニョーラとブンデスリーガとはサッカーのスタイルもリーグ全体の競争力も異なるプレミアは、最もタフな挑戦の場として適してもいる。
噂のある4クラブは、いずれもCLのピッチでグアルディオラのチームに痛い目にあった過去を持つ。だが、そこは華麗にして残酷なほど強いチームを作り上げ、バルセロナでの4年間で計14冠、就任3年目のバイエルンでも既に5冠という現役監督で最高水準。プレミア勢のサポーターも新監督として大歓迎することは請け合いだ。
クラブ経営陣にすれば、ファンはもちろん、既存の主力を引き留めて大物新戦力を引き寄せる強力なマグネットになる。一足先にユルゲン・クロップを新監督に迎えていなければ、リバプールも噂の新任地として騒がれていたことだろう。
では、そのグアルディオラの行き先はどこなのか?
筆頭候補は、合意報道までされたマンC。
ポールポジションにいるのはマンCだ。既に来夏の就任は合意済みとの報道まである。指揮を執っているマヌエル・ペジェグリーニには気の毒な話だ。たしかに今季はウェストハム戦やストーク戦で不覚をとり、アーセナルに敗れた17節で黒星は5つを数えているが、同節終了時点の順位は3位。予想外の首位でクリスマスを迎えたレスターとは6ポイント差だ。最終的な優勝争いは、2位のアーセナルとマンCとの一騎打ちという見方が強い。しかもペジェグリーニ就任後の過去2年間は優勝と2位という成績だ。