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2015年のJ1を「数字」で振り返る!
勝ち点、得点、試合数、走行距離。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2015/11/27 10:20

2015年のJ1を「数字」で振り返る!勝ち点、得点、試合数、走行距離。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

得点数も、警告数もイメージ通り。大久保嘉人はわが道を行き、ゴールを決め続けている。

佐藤寿人、大久保嘉人の両ストライカーも記録を達成。

2.J1通算ゴール数/得点王
<広島・佐藤寿人/J1通算157ゴール>
<川崎・大久保嘉人/3年連続得点王>

 最終節では、長年Jリーグに君臨する日本人ストライカー、佐藤と大久保がそれぞれゴールを決めた。佐藤は左サイドからのクロスに対して、相手のマークを巧みに外すヘディングシュート、大久保はミドルレンジからゴール左隅に突き刺す強烈なシュートと、ふたりの持ち味を象徴するものだった。佐藤は中山雅史氏に並ぶJ1通算157ゴール、大久保はJリーグ史上初となる3年連続得点王。それぞれが大記録を達成した。

 下記はJ1で通算100ゴールを挙げた選手の一覧だ。

【J1通算得点・100ゴール達成選手】
1    中山雅史   157(355試合)
1    佐藤寿人   157(376試合)
3    大久保嘉人  156(338試合)
4    マルキーニョス152(333試合)
5    前田遼一   146(356試合)
6    三浦知良   139(321試合)
7    ウェズレイ  124(217試合)
8    ジュニーニョ 116(264試合)
9    エジミウソン 111(236試合)
10  柳沢敦    108(371試合)
11  藤田俊哉   100(419試合)

 佐藤より多く出場しているのは藤田だけ。試合にコンスタントに出ることで着実にゴールを挙げていることが分かる。大久保は試合数こそ佐藤より38試合少ないものの、ゴール数では1点差に迫っており、その爆発力を象徴している。

 また前田も今季9ゴールを挙げて通算5位となり、磐田時代の大先輩・中山まであと『11』に迫っている。今季からFC東京に加入した前田は1stステージこそ苦しんだが、2ndステージでは第10節・神戸戦でのハットトリックなど計6得点をゲット。武藤嘉紀がマインツに移籍した後、チームの得点源となった。

 ちなみに通算100ゴールを挙げたのは過去11人だけだが、基本的にMFだった選手は現在のところ藤田だけ。ただ遠藤保仁が今季終了時点で通算98ゴールとし、大台に近づいた。攻撃的MFを務めることもあるとはいえ、ボランチを主戦場とする遠藤が来季2得点を挙げれば、これもまた大記録となる。

対照的なイエローカードの枚数でわかる2人の性質。

 そして佐藤と大久保は、ゴール以外の記録でもピックアップされた。

 それは、イエローカード。

 佐藤は2ndステージ第16節・G大阪戦の33分に相手選手とヘディングで競った際に身体が遅れて入ってしまい、6年ぶりとなるイエローカードを受けた。試合数でいえば193試合連続で警告を受けなかった、と表現すればその凄みが伝わるだろうか。

 一方の大久保は同第17節・仙台戦で、後半35分に得点王を確実にしたゴールの5分後、イエローカードを受けて自身通算100回目の警告となった。実はこの数字、Jリーグ全体を通じても松下裕樹(J2群馬)に次いで2人目の“達成”となってしまった。

 正直なところ、2ndステージ第15節・横浜FM戦で大久保が受けた2枚目の警告に関しては、厳しい裁定だったように感じる。とはいえ警告数によって、川崎に移籍してからの3年間で、97試合67得点という記録が色あせることはない。

 冷静沈着なポジショニングでゴールを陥れる佐藤。

 闘志をむき出しにして、得点を追い求める大久保。

 ふたりのプレースタイルの違いが警告数にも表れているのかもしれない。

 J1通算得点記録更新はどちらが先にマークするのか、それとも同時更新となるのか――。来季のJリーグ開幕戦では、この点にも注目が集まるはずだ。

【次ページ】 楢崎の600試合、遠藤&中澤の500試合出場達成。

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