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世界で勝つゴルファーに必要なこと。
R・ファウラーが語った「感覚と対話」。 

text by

長澤壮太郎

長澤壮太郎Sotaro Nagasawa

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/11/24 18:20

世界で勝つゴルファーに必要なこと。R・ファウラーが語った「感覚と対話」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

デビューから6年、26歳のファウラーは世界トップクラスのゴルファーとして世代交代の一翼を担う。

データ機器は「目安程度で、あんまり使わない」。

「でも最新のビデオ映像やデータ機器は使いますよね?」

「いや、目安程度で、あんまり使わないね」と、これまたあの大きな澄んだ瞳でこちらを見つめて“真実”を答えてくれる。

 名伯楽ブッチ・ハーモンの魅力について、彼は続けた。

「技術指導でもメンタルなコーチングでも素晴らしいことは確かですね。彼と組んでから自分が世界でもトップレベルで戦えて常に優勝争いをして勝てると信じられる状態になりました。ここ数年で僕を一段上のレベルまで引き上げてくれました。あまり褒めちぎるのも何ですが……(笑)」

 ブッチと組んで得たことは、細かい技術よりも総合的な対応力と自信というように感じた。

「勝ちを左右する場面は大好き」

 来日直前に戦ったプレジデンツカップで、世界選抜のベ・サンムン選手(韓国)やアニルバン・ラヒリ選手(インド)が重圧のかかる場面でミスをして勝利を逃したことを例に、プレッシャーのかかる場面での心境を聞いたところ、その自信をうかがわせる答えが返ってきた。

 「ライダーカップやプレジデンツカップで戦う選手、そしてツアーで優勝する選手は、勝利を左右する重要な場面は皆自分に回ってくることを願っていますし、自分が決定打をねじ込みたいと常に思っています。プレッシャーはもちろんかかりますが、勝ちを左右する場面は全員大好きだと思いますよ」と自らも天性の強心臓の持ち主である面を見せてくれた。そしてその時も真剣な眼差しは変わらなかった。

 ゴルフは、一打のもたらす結果が人生を変えるスポーツ。だから確率論やアナリティクス、そして反復性を重んじるルーティンが重要視されがちなのだろう。しかし、リッキーが重視しているのは、正反対の「感覚論」。型や決め事に囚われるとルーティンが崩れた時に修正が効かなくなるので、全てを状況に合わせて考え、対応する感覚、そして自信の軸を、技術ではなくブレないメンタルに置くことを大切にしている。勝負事において決定的瞬間を制する“殺しの嗅覚”を一番大事にしていると思えた。

【次ページ】 ファウラーがくれた答え

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