サムライブルーの原材料BACK NUMBER
霜田技術委員長に聞くマッチメーク。
実り多かったイラン戦、今後は?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2015/11/10 10:30
アウェーでのイラン戦は、どちらも勝負への執念を見せ、得るものの多い試合になった。
世界との対戦が難しくなっているのは事実。
――対世界と考えると、ネーションズリーグを立ち上げる欧州勢とは今後、マッチメークがより難しい状況になってきます。南米勢もW杯予選中となると、簡単じゃない。同一大陸内で2試合をこなさなければならないルールもある。それゆえの“アジア路線”だとも思えなくもないのですが。
「(世界と戦う)マッチメークが難しくなっているのは事実。いろいろと状況が変わってきてマッチメーク自体も変えていかなければならなくなってきたということです」
――昨年10月はシンガポールに出向いて、中国から移動してきたブラジルと戦ったケースもありました。強豪と日本以外で戦ういいテストケースにもなりましたが。
「僕らと同じような悩みを抱えた国は、ほかにもあると思うんです。欧州の強豪とは1試合しかやれないけど、アジアの他チームと連係して3カ国でやってみるとか。今後はそういう工夫が求められてくると思います」
「日本と戦うことに意義がある」と思わせるために。
――来年はロシアW杯の2年前になります。ザッケローニ時代には、2年前というタイミングでフランス、ブラジルと対戦しています。W杯アジア最終予選真っ最中での欧州遠征は異例でした。
「アウェーで強豪と戦うことは重要だと思っています。他の大陸のチームと真剣勝負ができる機会があれば、プライオリティーを最も高いところに置きたい」
――アジア勢はブラジルW杯で1勝もできなかった。そのこともマッチメークを難しくしている要因になっているのでしょうか?
「それはあると思います。日本とすれば実績を積み上げていくほかありません。ザッケローニ監督のときにオランダ、ベルギーといい勝負をやりましたけど、また日本と戦っても面白いんじゃないかと思わせられるかどうか。テストマッチに無駄な試合などありません。我々としては一つひとつの試合が勝負だと言えます」