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全ては「オグシオ」から始まった!?
日本バドミントンが強くなった理由。
posted2015/08/24 10:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
一瞬、華やかな空気に包まれた。
8月17日、世界選手権を終えたバドミントン日本代表選手たちが羽田空港に降り立った。今大会、男子シングルスでは桃田賢斗が、男子ダブルスは早川賢一・遠藤大由組が、女子ダブルスでは福万尚子・与猶くるみ組がそれぞれ銅メダルを獲得。日本にとって世界選手権史上最多の3個のメダルを獲得しての帰国である。
男子シングルスで日本初のメダルを獲得した桃田は言った。
「今後への自信になります」
福万尚子・猶くるみ組は笑顔だった。
「自分たちのプレーを出し切ることができた。すごくうれしい」
福万が言えば、与猶も笑みを浮かべる。
「オリンピックの舞台を目標に設定していきたいです」
2004年のアテネ五輪では惨敗を喫した日本バドミントン。
それにしても、バドミントンの近年の躍進は目を見張るばかりだ。
昨年は団体で競う国・地域別対抗戦のトマス杯で、男子が史上初の優勝を遂げた。女子も国・地域別対抗戦のユーバー杯で準優勝と好成績をあげたほか、世界選手権ではシングルスで三谷美菜津がこの種目では37年ぶりのメダルとなる銅、ダブルスでも前田美順・垣岩令佳組が銅メダル。年末のスーパーシリーズファイナル女子ダブルスでは高橋礼華・松友美佐紀組が同大会日本勢初優勝を成し遂げている。
そして、今回の世界選手権での銅メダル3つだ。
振り返れば、2004年のアテネ五輪のときは男子シングルス2名、男子ダブルス1組、女子シングルス3名、女子ダブルス2組、ミックスダブルス1組が出場してわずか1勝に終わった。それを思い出せば、快進撃とすら言える。
その裏には、「仕掛け」がある。
国際大会での結果という点で、先行したのは女子だ。2003年の世界選手権女子ダブルスで、山本静香・山田青子組が日本勢23年ぶりのメダルとなる3位になると、2007年の同女子ダブルスは小椋久美子・潮田玲子組、2011年同女子ダブルスでは末綱聡子・前田美順組がそれぞれ銅メダルを獲得。
そして2012年のロンドン五輪女子ダブルスでは藤井瑞希・垣岩令佳組が2位となり、日本バドミントン初の五輪メダルを獲得した。