球道雑記BACK NUMBER
ロッテの清田育宏が輝く時……。
「史上最大の下克上」が再来する?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/07/22 10:45
オールスター第1戦の3回表、全パが1死一、二塁の場面で見事に3点本塁打を放った清田。
キャリアハイをキープする今季、何があった?
「今年でプロ6年目を迎えたんですけど、これまで前半戦をこうして活躍した年がなかったので、自分のなかではよくできた方だと思うんです」と、前向きにとらえる清田。この姿勢こそ、昨年足りなかった部分なのだろう。
打率.317、本塁打9、打点35、盗塁7はいずれもキャリアハイ(7月21日現在)。7月15日の対オリックス戦では今季初の4番に座ると3安打2打点の活躍で、故障でチームを離れた今江敏晃の穴を埋めた。ペナントレース終盤戦に向けても期待できる結果を出しつつある。
強靭な下半身が支えている幅広い打撃。
プロ6年目となる今季、突然の変貌ぶりが伝えられる清田だが、自身の打撃について聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「金森(栄治/打撃コーチ)さんにボール球を振らないでストライクを打つというバッティングの基本を(プロに入ったころ)徹底的に叩き込まれましたし、それは今でも変わりません。あと金森さんからはポイントを近くして打てという考えを教わりましたが、近すぎるとそれはそれで打てないので、自分でも考えながらやっているところです。その分、奥行きは広がったかなって思いますし、近くでも打てるし、前でも打てる。自分では、打てる幅が広がっているかなって思いますね」
ポイントを体の中心線に置いて、インサイドアウトのスイングでボールを捉える。この技術は、強い下半身とキレが重要になる。そこで清田は30分間のランニングを毎日欠かさず行ったり、試合前にはアジリティトレーニングを行い、身体のキレを出すなど様々な準備をするようになったという。
「4月はあまり試合に出させてもらえなかったので、せめて試合に出るときは万全の状態で出ようと考えたんです。ランニングの量を多くしたり、アジリティ系のトレーニングを意識してやっていれば、身体のキレを保つことができますし、今のように夏場で体が疲れたときもやると全然違うんですよね」