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金哲彦も知らなかったホノルル駅伝!
アメリカ人の“タスキ”の使い方は?
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph byTetsuhiko Kin
posted2015/06/10 10:30
最終ランナーと併走して、ゴールゲートをくぐれるのも楽しい。
マラソンの20分の1規模だが、それがいい!
マラソンと違うのは、3区と4区の中継所で、ホノルルマラソンでは折り返しとなるハワイカイからさらに先に進み、ハナウマベイに向かう山道を登っていくハードなコースの先にあること。
今回僕は経験と健脚を買われて、友人チームの3区と4区、坂道ばかりの2区間を連続して受け持つことになった。実際、箱根駅伝の5区のような傾斜がある上り下りでは、参加者ほとんどが歩くか、歩くようなスピードになっていた。
参加チームの総数は190組くらいだったろうか。全部で6区間なので、最大に見積もっても参加人数は1140人、ホノルルマラソンの20分の1程度の規模にしかならない。
そして駅伝なので、自分の前後に走っているランナーもポツリポツリ。
マラソンのように混雑しない分、アットホームな雰囲気で走ることができたのも楽しめた理由だと思う。
全体に醸し出されていた“ゆる~い”雰囲気からすると、日本からのツアー客よりも、ひょっとしたらハワイ在住の日本人やアメリカ人のほうが多かったかもしれない。
タスキは、扱いに困る細い布っきれ!?
ところで、レース中につい笑ってしまったことがある。
それは、駅伝に欠かせない道具“タスキ”の扱い方だ。
日本人ランナーは、駅伝のテレビ中継が当たり前のようにあるし、市民駅伝やリレーマラソンが流行っているので、タスキの扱い方はよく知っている。つまり、タスキというものは肩からわき腹にかけて“たすき掛け”するという一般常識だ。
しかし、タスキを見たことのないアメリカ人には未知のもの。それは、ただただ扱いに困る“平べったくて細長い布っきれ”だったにちがいない。