セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
リッピ、ネドベド、ブッフォン――。
CLで12年前の再現を狙うユーベの魂。
posted2015/05/04 10:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
イタリアの盟主ユベントスが、12年ぶりにCLセミファイナルの舞台へ帰ってきた。準決勝の相手は、昨年の王者レアル・マドリーだ。
12年の間には屈辱のセリエB降格や、2季連続7位という低迷もあった。苦難もあった分、欧州4強の一角へ返り咲いた達成感は大きく、復活を遂げた名門ユーベの士気はすこぶる高い。
12年前、'02-'03年シーズンの準決勝で対戦したレアルは、前年度の大会で9度目のCL優勝を果たし、連覇を狙う優勝候補だった。
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中盤にはMFジダンやMFフィーゴが居並び、FWラウールとFWロナウドが組む前線に欧州中のチームが怖れをなした。最終ラインで睨みを利かせていたのは、DFロベルト・カルロスとDFイエロ、そしてGKカシージャスだ。彼らこそ、現在に続く“銀河系軍団”の最初の完成形だった。
ユベントスは敵地ベルナベウでの初戦を1-2で落とし、劣勢に立たされた。だが、彼らはトリノでの2ndレグで3-1の見事な逆転勝ちを収め、ファイナルへの切符を手にした。
2トップのFWデル・ピエーロとFWトレゼゲが揃ってゴールを決め、MFザンブロッタとMFダービッツが中盤を制圧した。トータルスコアを4-3とする豪快なゴールを叩きこんだのは、その年の暮れにバロンドールを受賞するMFネドベドだ。フィジカルと運動量でレアルを圧倒し、ユーベはレアルを粉砕したのだった。
今回も、下馬評はユベントス圧倒的不利。
12年後の今回も、下馬評はユベントスの不利とされている。
昨季10度目のビッグイヤーを獲得した現王者レアルは、今季を含め5年連続で準決勝に勝ち上がってきた。もう一つのカードで対戦するバルセロナとバイエルンも、ここ5年でともに4度目の4強進出だ。
30回のスクデットを誇るイタリアの盟主ユベントスとはいえ、近年ベスト4の顔ぶれが固定化したCLにあっては、“新参者”なのだ。