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「カイシュウは内気だが…」ドイツ人番記者が聞いたMF佐野海舟ホンネ評価「消されたムシアラは夢でうなされたのでは」“遠藤航級”への課題は?
posted2025/02/01 17:01

マインツでレギュラーを即獲得した佐野海舟。ドイツで力を伸ばした遠藤航と比較してどう見えるか
text by

ミヒャエル・イーベルト(『キッカー』誌マインツ担当)Michael Ebert
photograph by
Kiichi Matsumoto
遠藤航は26歳、佐野は24歳でのドイツ初挑戦だった
佐野海舟が憧れる日本代表のキャプテン、遠藤航は2019年夏から4シーズンにわたってシュツットガルトに所属し、1年目の途中から主力になり、そこからリバプールに移籍するまで、チームに大きな影響を与えた。7歳年下の佐野はまだそこまでの存在になっていないが、欧州1年目の選手として、この半年のパフォーマンスは驚くほどの上出来だ。
シュツットガルトに入団した頃の遠藤は26歳(この2月に32歳)で、直前のシーズンはベルギーのシント=トロイデンでプレーしていた。またドイツでの1年目は、所属クラブがブンデスリーガ2部を戦っていたが、初出場(試合終了間際に投入された)は12節まで待たねばならず、初先発は14節だった。
かたや佐野は23歳(現在は24歳)で日本から渡独し、ブンデスリーガのマインツで開幕戦から先発に抜擢され、以降もずっとその座を守っている。
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身長は遠藤が178センチで佐野が176センチとほぼ同じだが、体重は前者が77キロで後者が67キロ。体格からしてもその差は一目瞭然だが、デュエルの激しさは佐野も引けを取らない──ブンデスリーガの“デュエル・キング”だった遠藤にさえ。
ここまでに成功したタックル数は204で、ブンデスリーガに在籍する400人超の選手のなかで4位。予測力と瞬発力に優れ、インターセプトやカウンタープレスの動きも秀逸だ。
課題は攻撃面と、内向的ゆえのリーダーシップ
ただし今のところ、攻撃面では遠藤に及ばない。
彼はブンデスリーガ1部での3季で1シーズンあたり約4得点を挙げており、2021-22シーズンのケルンとの最終節では、後半追加タイムに決勝点を奪ってチームを残留に導き、サポーターから“レジェンド”(Legendo:Legend と Endo を掛け合わせた造語)と呼ばれるようになった。
また遠藤は2年目の途中からキャプテンマークを巻くようになり、最後の2シーズンはチームの主将を務めていた。一方、内向的な性格の佐野からは、今のところリーダーシップはあまり感じられない。
「少しずつ自分を出すようになっていると思うし、自身をもっと表現するようになれば、本当にすごい選手になると思う」と佐野を称えたのは、副キャプテンのヨナタン・ブルカルトだ。