マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
選抜は、学校対抗じゃなくていい!
一度見たい「地域選抜」という妄想。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2015/03/20 10:35
春の選抜の出場校は32。正式な予選がなく、21世紀枠も存在するなど、夏とはかなり異質な大会である。
「ウチのチームには、こんなヤツがいます」という推薦を。
なかには、仲間割れするチームが出てきたり、監督が選手を束ねきれなくなるチームがあったりする。それはそれで大いに結構。表面上きれいに野球をして帰るより、よほど勉強になるはずだ。
人選の基本は「自薦」だ。
ウチのチームには、こんなヤツがいます。こいつは全国のファンの前でプレーしてほしい、見せたい。
監督、部長が“ウチのこいつ”をまず推す。
自分、出してください! そう手を上げるヤツがいてもよい。磨いてきたことに自信があれば、待ってちゃいけない。大歓迎だ。
候補が決まったら、いよいよ人選である。
これが難しい。「選考委員は選手たち」。本当はこれがいいと思う。ただ、具体的にどうするのか。オーディション的なことは行なうのか、対外試合で見たことを材料にするのか。ならば、他県の選手はどう評価する?
私の妄想は、いつもここで立ち止まる。
なにか、これはという知恵はありませんか。
単独チームでは、故障者が無理をしがち。
単独チームじゃないのがいい点は、出場を辞退できる余裕があることだ。
単独チームの、それも主力選手であれば、故障があっても無理して出場しなければならないのが実情である。
学校の名誉、地元の期待、そうした「大人の都合」によって、本当は休んでいたほうがよい状態の選手が、故障をおして出場し、キズを深くしてしまう。それを防げるのは、大きなことだ。
また大会が始まってからも、一人の選手がそうした大きな負荷をかけられることもない。たとえば投手なら、投げられる投手がベンチに何人も控えている。