マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
選抜前に“あまのじゃく”選手診断。
高橋純平はまだ、今が旬は高橋奎二。
posted2015/03/19 10:40
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Kyodo News
組み合わせ抽選が終わると、私の中で、急にワクワク感が昂揚してくる。
これは春・夏の高校野球もそうだし、社会人野球の都市対抗もそうだ。トーナメントは相手の顔がわかってはじめて、見る者のイメージも急にリアルになるものだ。
すでに、多くの雑誌や新聞で、このセンバツの話題の選手たちが報道されている。去年の秋の公式戦や、もっと前の夏の甲子園、センバツでそのプレーを見ている選手については、このひと冬でどんな変わりようをしているのか。
上手くなったのか、それとも……。
初めて出会う選手たちには、手持ちの情報をイメージの中でつなぎあわせて、勝手に「こんな選手像」を構築する。
曲でいえば“イントロ”か。そんな想像の時期も、高校野球の時間なのだ。
見て、聞いて、会って“勝手な納得”をしてみたい。
「大会を代表する選手たち」
そんな表現で、大きく伝えられる選手たち。
ほんとにそうかなぁ……。
私は、どんなことにでも、そういう切り口で顔を寄せていく。誰々さんがそう言っているから、そうだろう。新聞にそう書いてあるから、そうなんだ。そういう“理解”が最もつまらない。
いわゆる、知ったかぶりである。
自分の目で見て、耳で聞いて、会ってみて、それで「ああそうか」と“勝手な納得”をしてみたい。
だから、私は出かけていく。見てきたことしか、語れない。今年のセンバツも、そんな“あまのじゃく”な目で選手たちを見てみよう。