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「自分の新しい部分が見えて楽しい」
長谷部誠が語るアンカーという新天地。 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/01/22 11:35

「自分の新しい部分が見えて楽しい」長谷部誠が語るアンカーという新天地。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

森重真人、細貝萌らとの競争を勝ち抜き、日本代表のアンカーのファーストチョイスとなった長谷部誠。攻守に奔走する長谷部の存在が、チームに安定感をもたらしている。

試合を重ねるにつれて、課題や修正点が浮上する。

 パレスチナ戦後、長谷部は攻撃のビルドアップに関して「後半は真ん中、真ん中に行きすぎていると思ったし、もう少しサイドからいければいいと思った。クロスも良くなかった。ホンジュラス戦でやったように、もっとボールを早く回し、もっとバイタルをしっかり使って、そこから仕掛けることができればと思う」と話していた。試合を重ねるにつれて次から次へと課題や修正点が浮かんでくるようだ。

 2枚のセンターバックと2枚のインサイドハーフの間に位置するのが基本ではあるが、アギーレジャパンは状況に応じてダブルボランチに変形して対応するという柔軟性を持って試合に臨んでいる。

引き出しが多い長谷部だからこそできること。

 例えば、昨年11月18日のオーストラリアとの親善試合。日本は長谷部の左右のスペースをオーストラリアに使われてピンチを招く場面があったため、前半のうちに長谷部と遠藤保仁がピッチ内で話し合い、ダブルボランチにして対応した。

「あのときのように、4-3-3がうまくはまっていないと思ったら、自分たちで考えてやり方を変える。応用力をつけることは、チームが成長するためにも良いことだと思う」と長谷部は事も無げに言う。

 引き出しが多く、しかもその引き出しがしっかり整理整頓されている長谷部だからこそ、最適なものを瞬時に選んで使いこなすことが可能なのだ。

 アギーレジャパンでアンカーとして試合に出始めてから2カ月がたった。その間にこなした試合は、親善試合も含めて5つ。今はピッチに立つたびに新たな発見があり、それを楽しんでいるという。もちろん、11月に掲げたアンカーとしての理想像は変わっていない。

「やりながら、もっともっとやっていかないといけないと思うし、もう少しこうしたらいいのではないかと思うところもある」

【次ページ】 狙い通りの戦略で、長谷部はしてやったりの表情。

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