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「自分の新しい部分が見えて楽しい」
長谷部誠が語るアンカーという新天地。

posted2015/01/22 11:35

 
「自分の新しい部分が見えて楽しい」長谷部誠が語るアンカーという新天地。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

森重真人、細貝萌らとの競争を勝ち抜き、日本代表のアンカーのファーストチョイスとなった長谷部誠。攻守に奔走する長谷部の存在が、チームに安定感をもたらしている。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Takuya Sugiyama

 整っている。アジア杯でのここまでのアギーレジャパンの戦いぶりを見ていて抱く印象は、その言葉に集約される。

 バランスが良いという言い方に置き換えることもできる。ただし、単純に各選手のポジショニングが良いというだけではない。攻守のバランス、試合運びのメリハリ、そして、球際でファイトしながらも冷静さを保ち続け、90分間集中を切らさないというメンタル的な安定感がある。

 グループリーグ第3戦、ヨルダン戦後のミックスゾーン。この試合で日本代表キャプテンとしての国際Aマッチ出場数を56とし、データが残る'89年5月以降としては宮本恒靖を抜いて最多記録を樹立した長谷部誠(フランクフルト)が、いつも通りの朗々とした声で報道陣に言った。

「チームは2011年より成長していると思う。攻撃のバリエーションも多いし、個々も成長している。余裕を持ってゲームができている」

アンカー長谷部の存在がチームの隙を消している。

 アジア杯でアギーレジャパンが隙のない戦いを見せているのは、相手との力量差があることや、チーム全体の経験値の高さが要因となっているのはもちろんだが、やはり「アンカー長谷部」の力は大きい。

 攻撃時にはビルドアップの起点となり、必要に応じて前線に上がることもある。守備では相手の出方に応じて潰し役となったり、カバーリングの役目を担ったり。また、空中戦で競り合う回数はダブルボランチの一角としてプレーしていたころと比べて格段に増えた。それら一つ一つが、実に効いているのだ。

 アギーレジャパンでのアンカーというポジションを、長谷部自身はどうとらえているのだろうか。

 長谷部にとって現体制下でのデビュー戦は昨年11月14日のホンジュラス戦だった。6-0で勝ったこの試合の後、話してくれた内容が印象的だった。

【次ページ】 南アW杯での阿部勇樹とはまったく異なるアンカー像。

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