ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
パー3は全米で10位、パー4は142位。
石川遼の弱点は“代名詞”ドライバー。
posted2015/01/14 10:50
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
「ハロー、アメリカ」で米ツアーに足を踏み入れたあの冬から、もう6年だ。
昨秋にスタートした'14-'15年シーズンは年明けをもって本格化。石川遼は1月下旬、2015年の初戦をカリフォルニア州で迎える。ハワイで行なわれたヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズで、いきなり松山英樹が活躍してみせた傍ら、静かにティオフの時を待っている。
本格参戦2年目の'13-'14年シーズン、石川はフェデックスポイントランキングで75位(プレーオフ終了後は72位)に入り、賞金シード復帰を果たした。それでもいまだ響く世間からの厳しい評価は、スターとしての宿命。初優勝への期待は、時間の経過とともに課せられた義務へと変わりつつある。
勝負は時の運。とはいえ最後に運を引き寄せるためにも、欠かせない技術もあるはずだ。
それは何か。手がかりは米国での6年間で蓄えてきた米ツアーでのデータ。そこから見える石川遼の“得意科目”と、“苦手科目”を整理してみたい。
パー3は「優」、パー4は完全に「不可」。
このオフの自主トレの最中、石川が課題に挙げたひとつの数字があった。年間を通じて蓄積された、パー3、パー4、パー5の各ホールの平均スコアについてである。
「パー3の平均スコアはすごくいい。年によってはタイガーの全盛期より良い時もあった。でも、パー4がものすごく悪い」
昨季の石川は1年間でパー3のホールを実に306回プレーした。平均スコアはちょうど3.00。
もしかしたら「なんだ、プロがイーブンパーか」と思う一般アマチュアもいるかもしれないが、とんでもない。この数字はPGAツアーを戦う全選手のうち、10位である。250人近い年間のツアー参加選手のうち、ポイントランキングでシード権の獲得圏外となる126位以下を、大学の評価のように「不可」とするならば、石川のパー3は十分「優」が付く数字。ちなみにパー5での平均スコアは4.61で、28位とこちらも優秀である。
ところが、パー4はというと平均4.09。わずかなオーバーパーにも感じられるが、全体142位でこちらは完全に「不可」である。18ホールのうち、パー4のホールが半分以上を占めるのだから、なかなか結果がついてこないのも、当然と言えば当然だ。