プロ野球亭日乗BACK NUMBER
東京五輪に野球が復活したら……。
侍ジャパンの編成を今こそ考える。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2014/12/12 10:40
星野監督が率いるプロ選手チームで臨んだ北京五輪では、準決勝・3位決定戦ともに敗れ、メダル無しの4位に終わった。チーム編成のあり方は、復活の可能性が出てきた東京五輪に向けての大きな課題となる。
プロのトップチームが参加、で本当にいいのか?
それが12月8日、IOCが開催都市に種目提案の権利を認めたことで、'20年の東京大会で野球とソフトボールに復活の道が開けることになったという。
もちろん野球とソフトボールの関係者にとって、また野球ファンを中心にした日本人にとっては朗報と言えるものである。
今後、まだまだ乗り越えなければならない壁はあるものの、五輪での野球(ソフトボール)復活へ向けて、大きな一歩が踏み出された。そのことには無条件で喝采をおくりたい。
ただ、そこで一つ問題提起をしたいことがある。
それは五輪における日本代表チームのあり方なのだ。
'04年のアテネ五輪では、長嶋茂雄監督(巨人軍終身名誉監督)の下で初めてプロ選手だけの代表チームが結成され、北京五輪もプロ選手オンリーの代表チームで参加している。
その後は野球が五輪競技から外れて、日本代表の最大目標はプロの大会であるWBCへと移行した。その結果、いま日本球界にはWBCを目指すプロのトップチームを頂点に社会人、大学、年齢別、性別などにより8つのカテゴリーの代表チームが編成されている。
当然いまの流れからすれば、もし五輪復帰が実現できた際には、プロのトップチームでの参加ということになると思うが……。
果たしてそれでいいのか、ということだ。
アマチュアを軸にした混成チーム、というアイデア。
五輪はある意味、日本の野球界の結束を示す場でもある。もちろん勝つことも大切だが、五輪を契機に日本球界を活性化するということを考えたら、プロ・アマを問わずに、大きな意味での日本代表を結成するという考えがあってもいいのではないだろうか。
ただ、そこにうってつけのカテゴリーが、今の代表チームにはないのである。年齢別でも21Uでは、社会人のトップ選手は入ることができないケースも出てくる。
ならばいまのカテゴリーにはないが、アマチュアを軸にプロ、アマ混成チームを結成するという道を模索してもいいように思う。そこには高校生も含めて大学、社会人のトップ選手を集結させて、加えてプロの選手を何人か補強するという編成方法だ。