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最強4年生は箱根で輝けるのか?
脱「チグハグ」を目指す古豪・明治。 

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photograph byNanae Suzuki

posted2014/12/03 10:30

最強4年生は箱根で輝けるのか?脱「チグハグ」を目指す古豪・明治。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

全日本大学駅伝、青学大をかわして2位でフィニッシュする大六野秀畝。

「ようやくエース候補から“候補”が取れた」

 戦前から戦後にかけての箱根駅伝では7回の優勝を果たしている明大だが、'60年代後半からは長らく低迷した。だが'04年から西監督が就任して強化を手がけ、'05年には14年ぶりに本選復活。'09年にシード権を確保してからは順調で、現4年生が戦力に加わった'12年には、当時のエース・鎧坂哲哉の調子が不十分ながらも3位に躍進した。

 そして5区に前年区間2位だった大江啓貴と6区にスペシャリストの廣瀬大貴を配した'13年は総合優勝も狙える陣容だったが、大江の不調と9区、10区の大失速で7位と不本意な結果に。そして前回も4区までは1位東洋大とは2分23秒差の4位に付けながら、本人が名乗りを上げた5区の横手が区間19位と大失速して往路は7位に終わる。復路も一時4位に上がりながらも、またしても9区と10区の失速で総合も6位に終わるなど、ここ2年はチームとしてチグハグな走りを繰り返しているのが現状だ。

 今年も春には横手の復活と4年生の充実で活気づいたが、7月の時点では主力4名を含む23人が故障という危機的な状態になっていた。しかし、秋に入るとチームが活気づく。

 大六野や文元、有村、松井、木村、横手の主力が安定。さらに1万m28分30秒台と40秒台を持つ山田速人や牟田祐樹(3年)、籔下響大(2年)に加えて、山田稜(2年)など中堅層が若干の波はありつつも調子を上げてきたのだ。その勢いが全日本2位につながったかたちだろう。

 西監督もその成長に笑みを浮かべる。

「期待されてきた4年生たちが、ようやくエース候補から“候補”の文字が取れて力を出せるようになった。大学としての最高順位更新と、常勝軍団の東洋大に勝ったのは自信になりますね」

雌伏のときを超えた4年生の走りが明大を爆発させるか。

 早大の渡辺康幸駅伝監督が「もし明治に大江と廣瀬が残っていたら、今年は絶対に優勝しますよ」と言うように、鬼門は山の5区と6区だ。西監督は「上りは1時間20分、下りは60分で走ってくれれば……」と言うが、5区に今年はしっかり準備できているだろう横手を再び使ってくるか。勝負の分かれ目になりそうだ。

 さらにまだ故障中ではあるが、前回3区で区間2位の八木沢が間に合うかどうかも大きなポイントだ。彼がメンバーに入れば、「駒澤の村山も強いが彼に勝たないと優勝はないので……。全日本の流れをそのまま箱根まで持っていけば勝負になると思う」とエース対決にも意欲を見せる2区の大六野と、2人で往路からいい流れを作れるだろう。

 全日本2位を自信にする明大が爆発するか否かは、雌伏のときを脱した4年生たちの走りにかかっている。

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