箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
最強4年生は箱根で輝けるのか?
脱「チグハグ」を目指す古豪・明治。
posted2014/12/03 10:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Nanae Suzuki
11月2日の全日本大学駅伝。大会MVPを獲得したのは5区で区間新をマークした明大の横手健(3年)だった。だが、横手は個人MVP、チーム2位という結果にも厳しい表情を崩さなかった。
「主要区間を走ってないから、区間新でも手放しで喜べないんです」
入学前から1万m高校ランキング1位で期待された彼は、昨年までは故障で低迷。今年はやっと調子を取り戻し、全日本も本来はエース区間2区の予定だったが、不調から5区に変更されていたからだ。西弘美監督も「短い距離の3区・有村(優樹)と5区・横手の区間賞獲得は最低条件だった」と言う。
明大には、横手以外にも4年に高校時代から注目された逸材がずらりと揃い、ここ数年は駒大の大八木弘明監督が箱根駅伝前になると「明治は怖い」と漏らしているほど。有村、文元慧、松井智靖、大六野秀畝、そして5000m学生最速の八木沢元樹。リクルーティングの成功により、5000m、1万mのタイムだけを見ると、他校の4年生を圧倒する陣容になっている。
全日本で2位に入るも、満面の笑みはなく。
全日本では、2位という結果にもチームが満面の笑みではなかったのは、今年が「勝負の年」であるにもかかわらず、全員が力を出し切れなかったためだろう。特に1区の文元は村山謙太・紘太兄弟(駒大・城西大)の存在感に硬さが出て17位と大きく出遅れてしまった。
だが、8区アンカーの大六野が、湿度が高い中で序盤を抑える計算通りの走りで青学大を抜き、区間賞を獲得したことはチームにとって大きなプラス材料。その大六野は冷静にレースを振り返った。
「明治は毎年何人かがブレーキをしていたが、今回は1区の文元以外の選手たちは自分の力を出せたと思う」